仕事力

心に響く自己啓発

価格の不思議

経済学者、吉本佳生さんの著書「スタバではグランデを買え!」(ダイヤモンド社 2007年)を拝読しました。2007年の本なので情報は古いですが、なるほどと感心することが多い経済書です。 当時のスターバックス(通称スタバ)では、ショートサイズ(24…

「労働Gメンが来る!」を読んで

書名:労働Gメンが来る! 著者:上野歩 出版社:光文社文庫 出版年:2021年 題名の労働Gメンというのは、労働基準監督官のことを指しています。この著書は、銀行を退職後、新任で労基署に入職した女性労働基準監督官の約1年間の物語です。労基署における…

「白村江」を読んで

書名:白村江 著者:荒山徹 出版社:PHP文芸文庫 出版年:2020年 白村江の戦いは西暦668年に起こりました。倭国が旧百済勢力による百済再興を支援するために大軍を派遣したが、唐・新羅連合軍に大敗したとされています。 この著書は、白村江の戦いが勃…

事前準備はするが、取り越し苦労はしない

事前準備と取り越し苦労は、似て非なるものです。 角川国語辞典によりますと、取り越し苦労とは「将来のことについて、よけいな心配をすること」と記されています。状況確認が不十分なのに「こんな問題が起きたらどうしよう、失敗したらどうしよう」と取り越…

飲食店における「車の両輪」

南インド料理店の総料理長、稲田俊輔さんの著書「お客さん物語」(新潮新書 2023年)を拝読しました。 著者は、料理人であると同時に、他店で楽しむこともモットーにしておられます。ある繁盛している創作居酒屋を訪れました。 しかし、さほど美味しい料理で…

新しい職場になじむためには

新卒入社、転勤、転職で新しい職場に就くと、最初は苦労することが多いにあると思います。 職場にいる人たちにとって、自分という人間がどんな性格でどんな考え方でどんな能力の持ち主なのか、未知の存在だからです。つまり、信頼性がないのです。信頼されて…

人を励ますウソ

3月20日(水)にEテレで「最後の講義『落語家 桂文枝』」という番組が放送されました。文枝さんが語るエピソードは、面白くて教訓になるものでした。 なかでも、医学部1年生の方の質問に対する文枝さんの経験談には驚きました。 質問の要点は次のとおり…

「田村はまだか」を読んで

書名:田村はまだか 著者:朝倉かすみ 出版社:光文社文庫 出版年:2010年 先月拝読した「一万円選書」(岩田徹 著)に紹介されている著書です。 札幌、すすきのの狭い小路にある面積10坪くらいのスナック・バーが物語の主な舞台です。その夜そのバーには…

「あのー」「えー」の意外な効用

先日BS放送で、だいぶ前に収録された松竹新喜劇を鑑賞しました。喜劇役者で有名な藤山寛美さんが、意外にもセリフの中で「あのー」をよく使っておられることに気づきました。ところが、劇場にいるお客さんはそういうことには気づかないくらい楽しんでおら…

チャンスをものにするためには

出口治明さんは1948年に生まれ、日本生命で長年ご活躍され、2008年ライフネット生命を設立され、2018年立命館アジア太平洋大学の学長に就任されました。まさに還暦で創業、古希で学長です。日本生命でも海外現地法人社長や本社部長を務められま…

日本型年功制の是非

先日もテレビのニュース番組で、成果や実力に基づいた人事制度に切り替えるべきだと語る解説者がいました。この考え方は、従来の年功制を否定するものです。 ちょっと古い本ですが、高橋伸夫さんの著書「できる社員は『やり過ごす』」(日経ビジネス人文庫 2…

不合理な意思決定

経営学者の高橋伸夫さんの著書「組織力」(ちくま新書 2010年)を拝読して、現実の意思決定の不合理さになるほどと感心しました。著者は第1章の冒頭でこう述べています。 人生は、勢いでしか決められない「重大な意思決定」と熟慮に基づいた「つまらない意…

「一万円選書」に思うこと

北海道の田舎町にある小さな書店の店主、岩田徹さんの著書「一万円選書」(ポプラ新書 2021年)を拝読しました。所在地は人口1万6千人の砂川市で、書店名はいわた書店です。 「一万円選書」とはどういうものか、まず概略を説明いたします。 お客さんから事…

「安物買いの銭失い」と言われない商売

100円ショップ「ダイソー」の創業者、矢野博丈さんが、2024年2月12日に80歳でお亡くなりになりました。2月20日のダイヤモンド・オンラインで、同氏が生前に寄稿した記事が公開されました。記事名は「【追悼】ダイソー創業者・矢野博丈氏『自…

アサーティブとは?

自己表現の態度にはアグレッシブ、ノンアサーティブ、アサーティブの三つのタイプがあると言われています。 第一のアグレッシブとは、自分の気持ちや意見を一方的に主張する攻撃的な自己表現で、良好な人間関係を築きにくい傾向にあります。 第二のノンアサ…

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んで

書名:ナミヤ雑貨店の奇蹟 著者:東野圭吾 出版社:角川文庫 出版年:2014年 図書館でたまたま手にとったのがこの著書です。この著書を原作とした映画はだいぶ前に見たことがありますが、東野さんの著書を拝読するのは初めてです、。テンポよく読めるわかり…

「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んで

書名:地下鉄(メトロ)に乗って 著者:浅田次郎 出版社:講談社文庫 出版年:1999年 メトロがあたかもタイムトンネルのようです。出口につながる階段を上り地上に出ると、そこは過去の世界です。夢を見て過去の世界にさかのぼることもありました。戦前、戦…

「深みのある人」とは?

明治大学教授、齋藤孝さんの著書「『深みのある人』がやっていること」(朝日新書 2023年)を拝読しました。冒険家、植村直己さんの顔写真のことから始まり、その笑顔を見て彼こそが「深みのある人」だと述べられています。 フードですっぽりと覆った中に、…

「羊と鋼の森」を読んで

書名:羊と鋼の森 著者:宮下奈都(みやした なつ) 出版社:文春文庫 出版年:2018年 主人公は北海道の山間部で生まれ育った青年です。高校2年の時、たまたまピアノの調律作業の素晴らしさを目の当たりにして、ピアノ調律師に魅せられました。高校卒業後、…

明らめる

出口治明さんの著書「逆境を生き抜くための教養」(幻冬舎新書 2023年)を拝読しました。人生では、戦争や地震、台風、感染症、がん、事故、倒産など、不条理な逆境に遭遇することがあります。この著書を拝読して、逆境を生き抜く最大の知恵は「明らめる」に…

横臥第一、睡眠第二

外山滋比古さんは、著書「老いの整理学」(扶桑社新書 2014.年)の中で、「寝る」という言葉には「横になる」ということと「眠る」ということの二つの意味が込められていると、述べています。これら二つの意味を比較して、 横臥第一、睡眠第二 これこそが高…

「若冲」を読んで

書名:若冲(じゃくちゅう) 著者:澤田瞳子(さわだ とうこ) 出版社:文春文庫 出版年:2017年 この本は、江戸時代後期の絵師、伊藤若冲の生涯を思い切ったフィクションで描かれたものです。史実では明らかにされていない部分、とくになぜ彼の絵が独創的な…

恋愛と結婚は別ものか?

「おひとりさま」や「草食系男子」などの言葉を世に広めた牛窪恵さんの著書「恋愛結婚の終焉」(光文社新書 2023年)を拝読しました。 20~30歳代の独身者に対して「これまでの恋人の人数」を調査した2022年内閣府白書によると、女性の4人に1人、…

「ドジャース」とは?

大谷翔平選手は昨年までエンゼルスで活躍しました。今年からはロサンゼルス・ドジャースに活躍の場を変えることになりました。ドジャースは野茂英雄さんが活躍されたチームでもあり、日本でも知名度が高い人気チームです。 「エンゼルス」は天使たちという意…

「三千円の使いかた」を読んで

書名:三千円の使いかた 著者:原田ひ香 出版社:中公文庫 出版年:2021年 物語の冒頭は、こう始まります。 人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母言った。 祖母、母、姉妹の3世代、4人の女性の人生とお金にまつわる話です。不動産、投資信託、結婚…

「おらおらでひとりいぐも」を読んで

書名:おらおらでひとりいぐも 著者:若竹千佐子 出版社:河出文庫 出版年:2020年 主人公は後期高齢者になるのが間近の74歳の老女です。故郷の東北を離れて50年になります。夫とは恋愛結婚し31年間暮らしましたが、心筋梗塞で先立たれました。愛だ恋…

あれをあげるか

ノンフィクションライターの佐々涼子(ささ りょうこ)さんの著書「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている」(早川書房 2014年)を拝読しました。 2011年3月11日14時46分、石巻市を代表する事業所「日本製紙石巻工場」も、東日本大震災に遭遇しま…

「利他の心」の真髄

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、神仏への信仰があつい方です。 1997年、著者は得度(僧侶になること)をなさいました。短期間ですが、初冬の肌寒い時期に托鉢(たくはつ)の修行に励まれました。ワラジ…

「できます」という言葉の重み

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、一生懸命がんばったら、神様から手を差し伸べてもらえるとおっしゃいます。自分の能力を上回るアイデアだから、自分で創造したのではなく、神様に教えてもらったのだと思って…

まず思うこと

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。鹿児島大学工学部を出られた著者でさえも、新卒入社試験でなかなか合格できなかったそうです。人が人を的確に評価するということが、いかに難しいかを物語っています。 ところで、著…