仕事力

心に響く自己啓発

教養

「督促OL修行日記」を読んで

書名:督促OL修行日記 著者:榎本まみ 出版社:文春文庫 出版年:2015年 この本は、新卒でクレジットカード会社の督促を行う部署に配属された著者が経験した苦労談であり、督促のノウハウ集とも言えます。なお、著書に登場する人物などが特定されないよう…

「最強の経営者」を読んで

書名:最強の経営者 アサヒビールを再生させた男 著者:高杉良 出版社:講談社文庫 出版年:2018年 1986年、樋口廣太郎(ひろたろう)住友銀行副頭取は、転籍してアサヒビールの社長になりました。当時、アサヒビールの全国シェアは10%を下回り、業界…

「完全版 上杉鷹山」を読んで

書名:完全版 上杉鷹山(ウエスギ ヨウザン) 著者:童門冬二 出版社:PHPエディターズ・グループ 出版年:2019年 この著書は、山形新聞に連載された「小説 上杉鷹山」、ビジネス書「上杉鷹山の経営学」、追筆された「再考・上杉鷹山」の3部で構成されて…

「ひよっこ社労士のヒナコ」を読んで

書名:ひよっこ社労士のヒナコ 著者:水生大海(みずき ひろみ) 出版社:文春文庫 出版年:2019年 書名にある「社労士」とは、社会保険労務士(国家資格)の略称で、社会保険や年金、労務管理、雇用調整助成金などの手続きをする専門家です。主人公の女性は…

「流」を読んで

書名:流(りゅう) 著者:東山彰良 出版社:講談社 出版年:2015年 この著書は、1970年代から80年代にかけて主に台湾を舞台とした小説です。主人公の祖父は戦乱の時代、中国大陸で多くの人々を殺しました。多くの人がかたきを討ちたいと憎んでいまし…

「労働Gメンが来る!」を読んで

書名:労働Gメンが来る! 著者:上野歩 出版社:光文社文庫 出版年:2021年 題名の労働Gメンというのは、労働基準監督官のことを指しています。この著書は、銀行を退職後、新任で労基署に入職した女性労働基準監督官の約1年間の物語です。労基署における…

「白村江」を読んで

書名:白村江 著者:荒山徹 出版社:PHP文芸文庫 出版年:2020年 白村江の戦いは西暦668年に起こりました。倭国が旧百済勢力による百済再興を支援するために大軍を派遣したが、唐・新羅連合軍に大敗したとされています。 この著書は、白村江の戦いが勃…

「田村はまだか」を読んで

書名:田村はまだか 著者:朝倉かすみ 出版社:光文社文庫 出版年:2010年 先月拝読した「一万円選書」(岩田徹 著)に紹介されている著書です。 札幌、すすきのの狭い小路にある面積10坪くらいのスナック・バーが物語の主な舞台です。その夜そのバーには…

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んで

書名:ナミヤ雑貨店の奇蹟 著者:東野圭吾 出版社:角川文庫 出版年:2014年 図書館でたまたま手にとったのがこの著書です。この著書を原作とした映画はだいぶ前に見たことがありますが、東野さんの著書を拝読するのは初めてです、。テンポよく読めるわかり…

「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んで

書名:地下鉄(メトロ)に乗って 著者:浅田次郎 出版社:講談社文庫 出版年:1999年 メトロがあたかもタイムトンネルのようです。出口につながる階段を上り地上に出ると、そこは過去の世界です。夢を見て過去の世界にさかのぼることもありました。戦前、戦…

「羊と鋼の森」を読んで

書名:羊と鋼の森 著者:宮下奈都(みやした なつ) 出版社:文春文庫 出版年:2018年 主人公は北海道の山間部で生まれ育った青年です。高校2年の時、たまたまピアノの調律作業の素晴らしさを目の当たりにして、ピアノ調律師に魅せられました。高校卒業後、…

「若冲」を読んで

書名:若冲(じゃくちゅう) 著者:澤田瞳子(さわだ とうこ) 出版社:文春文庫 出版年:2017年 この本は、江戸時代後期の絵師、伊藤若冲の生涯を思い切ったフィクションで描かれたものです。史実では明らかにされていない部分、とくになぜ彼の絵が独創的な…

恋愛と結婚は別ものか?

「おひとりさま」や「草食系男子」などの言葉を世に広めた牛窪恵さんの著書「恋愛結婚の終焉」(光文社新書 2023年)を拝読しました。 20~30歳代の独身者に対して「これまでの恋人の人数」を調査した2022年内閣府白書によると、女性の4人に1人、…

「ドジャース」とは?

大谷翔平選手は昨年までエンゼルスで活躍しました。今年からはロサンゼルス・ドジャースに活躍の場を変えることになりました。ドジャースは野茂英雄さんが活躍されたチームでもあり、日本でも知名度が高い人気チームです。 「エンゼルス」は天使たちという意…

「三千円の使いかた」を読んで

書名:三千円の使いかた 著者:原田ひ香 出版社:中公文庫 出版年:2021年 物語の冒頭は、こう始まります。 人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母言った。 祖母、母、姉妹の3世代、4人の女性の人生とお金にまつわる話です。不動産、投資信託、結婚…

「おらおらでひとりいぐも」を読んで

書名:おらおらでひとりいぐも 著者:若竹千佐子 出版社:河出文庫 出版年:2020年 主人公は後期高齢者になるのが間近の74歳の老女です。故郷の東北を離れて50年になります。夫とは恋愛結婚し31年間暮らしましたが、心筋梗塞で先立たれました。愛だ恋…

「料理通異聞」を読んで

書名:料理通異聞 著者:松井今朝子 出版社:幻冬舎 出版年:2016年 この本は、江戸時代後期の名料亭「八百善」をつくりあげた主人公、善四郎の一代記です。祖先は八百屋で、父親は江戸山谷で「福田屋」という精進料理店を営んでいました。その跡取りが善四…

第3号被保険者制度の将来は?

【制度の概要】 国民年金の被保険者は、次の三つに分類されます。 ・第1号被保険者 自営業者、学生、無職の人やその配偶者などで、第2号被保険者や第3号被保険者でない国内に居住する20歳以上60歳未満の人です。 ・第2号被保険者 会社員や公務員など…

「七つの会議」を読んで

書名:七つの会議 著者:池井戸潤 出版社:集英社文庫 出版年:2016年 この本は、年商1千億円規模の中堅企業で起こった不祥事の物語です。全8章からなる連作短編小説です。 第1章はパワハラ問題、第2章は下請の町工場の経営問題、第3章は女性社員の退職…

「京都祇園もも吉庵のあまから帖」を読んで

書名:京都祇園もも吉庵のあまから帖 著者:志賀内泰弘(しがない やすひろ) 出版社:PHP文芸文庫 出版年:2019年 元芸妓のもも吉は、京都祇園で甘味処「もも吉庵」を営んでいます。お茶屋造りの外観で看板はなく、いわゆる「一見さんお断り」の小さな店…

グラミン銀行とは?

経営学者の井上達彦さんは、著書「模倣の経営学」(日経ビジネス人文庫 2015年)の中で、従来の事業の逆張りを行う反転模倣についてグラミン銀行を例にして述べています。 グラミン銀行は、1983年にバングラデシュでムハマド・ユヌスさんが創設しました…

「阪急電車」を読んで

書名:阪急電車 著者:有川浩(ありかわ ひろ) 出版社:幻冬舎文庫 出版年:2010年 この本は、関西私鉄のローカル線、阪急今津線を舞台とした物語です。路線情報によると、今津線の宝塚~西宮北口間は、乗車時間14分、運賃が200円です。この区間には八…

「復活への底力」を読んで

書名:復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる 著者:出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長) 出版社:講談社現代新書 出版年:2022年 著者が入院なさったという報に接した時、当時は病名も知らず、ただただ早期回復をお祈りするばかりでし…

「日の名残り」を読んで

書名:日の名残り 著者:カズオ・イシグロ 出版社:早川書房(ハヤカワepi文庫) 出版年:2001年 主人公は、イギリスの大邸宅の老執事です。執事は召使いを部下に持ち、いわば邸宅の総務部長のような存在です。第二次世界大戦後、その邸宅のあるじは、イギリ…

「心理的安全性」とは?

みずほリサーチ&テクノロジーズ著「経済がわかる論点50 2023」(東洋経済新報社 2022年)によると、「心理的安全性」とは次のことを指します。 「率直に発言することや、懸念・疑問・アイデアを話すことへの不安や恐れを感じない状態」 この心理的安…

「千両みかん」とは?

「千両みかん」は、江戸時代の大店(おおだな)の番頭が夏の暑いさなかに冬のみかんを探し求めるという古典落語です。 若旦那は、今にもどうにかなってしまうような病気に苦しんでいました。 番頭が若旦那から、みかんが食べたくてたまらない気の病だという…

「交通誘導員ヨレヨレ日記」を読んで

書名:交通誘導員ヨレヨレ日記 著者:柏耕一(かしわ こういち) 出版社:三五館シンシャ、(発売)フォレスト出版 出版年:2019年 道路や建物の工事があちこちで行われ、通行止めや片側通行になっていると、通行する側から見ると「またか!」とちょっといら…

組織の不思議? 2:6:2の法則

2:6:2の法則とは、一定の組織の中で、貢献度やパフォーマンスが高い人々が2割、中くらいの人々が6割、これらが低い人々が2割の割合で存在するという経験則です。 この法則が不思議なのは、仮に上位の2割だけを抜き出して新しい組織を作っても、その…

「銀二貫」を読んで

書名:銀二貫 著者:髙田郁(たかだ かおる) 出版社:幻冬舎時代小説文庫 出版年:2010年 この本は、江戸時代の大坂を舞台としてビジネスと恋愛を描いた作品です。物語は、大坂天満の寒天問屋の店主が、天満宮再建のための大金、銀二貫を寄進しに行く途上か…

フランク・ベトガーはどうやって熱意の人に変身したか?

フランク・ベトガーさんは、もともと神経質でものおじするタイプの人でした。彼の著書「私はどうして販売外交に成功したか」(ダイヤモンド社 1964年)の第1章「自分の仕事に情熱をもて」に、彼が熱意の人に変身できた経緯が詳しく記されています。 彼はア…