悩ましい問題は、大なり小なり、毎日のように発生します。とくに、管理職であれば、悩ましい問題は何でも、上司に相談するというわけにはいかないでしょう。
問題解決の本は多数、市販されており、僕も勉強させてもらいました。
僕の場合、デール・カーネギーさんが著された「道は開ける」(創元社 文庫版 2016年)に教えてもらったことが、いちばん役立っています。
「道は開ける」には、三つの方法が記されています。
【第1の方法】
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「起こり得る最悪の事態とは何か」と自問すること。
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やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
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それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。
まず、「起こり得る最悪の事態」を予測することによって、自分で解決すべきか、上部の役席と相談すべきか、組織的に対応すべきか、判断することができます。
次に、状況をあるがままに受け入れることによって、心が落ち着いて、冷静な判断ができます。
妻から、「この課題がうまく行かなかったら、どうしようか」と相談を受けたことがあります。
僕は、「最悪の場合、先方に僕が丁重に謝る」と答えました。そして、「できるだけ失敗しないよう、準備を怠らず、知恵を絞ろう」と言いました。「第1の方法」を活用しました。
【第2の方法】
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悩んでいる事柄を詳しく書き記す。
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それについて自分にできることを書き記す。
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どうするかを決断する。
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その決断を直ちに実行する。
ここでは、頭の中で考えているだけではなく、「書く」ことによって、状況を整理して知恵を絞ることができると、教えてくれています。混乱した中から状況を整理すると、軽微な事案だとわかることもありましょう。
ただし、決断は誰が下すか、また、いつ実行するかは、ケースバイケースで決めたほうがいいでしょう。
【第3の方法】
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問題点は何か?
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問題の原因は何か?
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いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?
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望ましい解決策はどれか?
問題の認識、発生原因の把握、解決のための代替案の列挙、そして、代替案の選択と、「第3の方法」はオーソドックスな問題解決法だと言えます。実態把握が解決の第1歩です。
以上、三つの方法を紹介しました。
なお、適確な問題解決には、最低限の知識が不可欠です。可能であれば、専門家と相談することもありです。やはり、教養や人脈は多いに越したことはありません。