フランスの人口学者、エマニュエル・トッドさんは、著作の中で折に触れて、少子高齢化に伴う人口減少が日本の最大の問題だと述べておられます。
河合雅司さんも、「未来の年表」(講談社現代新書 2017年)をはじめとして、人口減少の影響を論じ、先行きの憂いを抱いておられます。
「東大がつくった高齢社会の教科書」(東京大学高齢社会総合研究機構編著 東京大学出版会発行 2017年)によると、次のような定義が示されています。
まず、「高齢者」の定義については、こう記されています。
暦年齢で65歳以上の人を「高齢者」として取り扱うことが通例となっているが、定義の由来は定かでない。
また、「高齢化の区分」は次のように述べられています。
高齢化した社会を表す言葉がいくつかあるが、人口に占める高齢者の割合が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」と呼ぶことは世界共通の認識となっている。近年では20%あるいは21%を超えたときに「超高齢社会」と呼ぶことがあるが、まだ世界的な合意形成は行われていない状況にある。
さらに、高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)の現状と推計は、次のようになっているとのことです。
2016年時点における日本の高齢化率は27.3%ですが、今後も伸び続け2024年には30%を超え、2035年には33.4%(3人に1人が65歳以上)を超え、さらに2061年には40%に達すると見込まれています。
我が国はすでに「超高齢社会」に突入しているのですね。そして、4人に1人は65歳以上の高齢者なのですね。僕も高齢者の一員ですが。
これからも、労働力人口、年金、医療、介護、過疎化、空き家など、さまざまな経済・社会問題がいっそう顕在化してくるのでしょう。
これらの問題の解決に当っては、他国に先例がないため、我が国が自ら考えて進めなければなりません。
スティーブン・R・コヴィーさんは「7つの習慣」の中で、「緊急でないが重要なこと」のための時間を増やす必要性を述べておられます。少子高齢化や人口の問題は、すでに緊急事項と見るべきかもしれませんが。
少子高齢化や人口の問題を重要な政策の争点の一つとして、国民みんなで真剣に考えて、より良い未来を展望できるようにしたいものです。子や孫のためにも。