デール・カーネギーさんの著書「人を動かす」(創元社 文庫版 2016年)によると、
他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。
とチャールズ・シュワップの言葉を引用しています。また、「人に好かれる六原則」の中に「心からほめる」という原則、「人を変える九原則」の中に「まずほめる」「わずかなことでもほめる」という原則も挙げています。
水野敬也さんの著書「夢をかなえるゾウ」(飛鳥新社 文庫版 2011年)によると、
[ガネーシャの課題]
誰か一人のいいところを見つけてホメる
という自己啓発の訓練があります。
僕が仕事でしょげていた時、上司から「髪の毛がきれいに整っている」とほめていただきました。やはり、髪の毛くらいしか、僕には長所がないのかなと思いました。同時に、仕事がうまく行っていないけれど、上司はまだ、僕に好意を持っているとも感じました。
たまには業績が優秀で受賞したことがありました。僕も多少は難しいことをやったけれど、幸運に恵まれたことが大きかったと思いました。
「勝ちに不思議の勝ちあり」と言います。失敗要因が混じっていても、本人の努力とは別に偶然うまくいくことがあります。
ほめることは大切なことです。しかし、ほめることが逆効果となっては、何にもなりません。
ほめてもよいかどうかの判断は難しいです。
客観的に見てほめるべき状況であれば、その事実をほめます。たとえば、良い業績や成果を上げたならば、その業績や成果をほめることが適切でしょう。
ほめるべきかどうか、判断に迷う時は、「ありがとう」や「良かったね」と、一言かける方がよいと思います。