仕事力

心に響く自己啓発

物事を素直に考えることは難しいのでしょうか?

松下幸之助さんは、「道をひらく」(PHP研究所 1968年)の中で次のように述べておられます。

この素直な心 自然な心のなかにこそ 物事のありのままの姿 真実をつかむ 偉大な力がある

ところが、人間にはなかなか素直になれない性質があります。

出口治明さんは、「最後の講義 完全版」(主婦の友社 2021年)の中で、「人間は自分が見たいものしか見ない動物ですから、なかなか世界をフラットに見ることはできません」と述べておられます。

また、岡本純子さんは、「世界最高の話し方」(東洋経済新報社 2020年)の中で、「人は『自分が聞きたい情報だけ』を受け入れる生き物」と述べておられます。

これは、心理学用語で「確証バイアス」と呼ばれる現象で、自分の考えを支持する情報ばかりを集め、それに反する情報を無視する傾向があるそうです。

物事を素直に考えることは、やはり難しそうです。

しかし、出口治明さんは、一つのヒントを与えてくださっています。

「僕はいつも、世界を見るために必要な視点は3つあると話しています。『タテ・ヨコ・算数』です。」(最後の授業 完全版)と。

「タテ」は時間軸すなわち歴史、「ヨコ」は空間軸すなわち世界、「算数」は「数字(データ)・ファクト(事実)・ロジック(論理)」です。

また、山田ズーニーさんは、文章を書くための問いを立てる方法として、次のように述べておられます。

過去→現在→未来へと流れる時間軸と、自分→身の回り→日本社会→世界へと広がる空間軸に視野を広げ、問いを立てる。山田ズーニー著「伝わる・揺さぶる!文章を書く」PHP新書 2001年)

物事を素直に考えるためには、「タテ・ヨコ・算数」の視点で考えることが大切です。また、「タテ・ヨコ」については、山田ズーニーさんがわかりやすく説明くださっています。