仕事力

心に響く自己啓発

「適応力」とは、どんな能力でしょうか?

出口治明さんは、「人生は運と適応」だと述べています(「最後の講義 完全版」(主婦の友社 2021年)。

人間が動物である以上、生き残るために必要なのは「強さ」や「賢さ」や「大きさ」ではなく、「運」と「適応」がすべてなのです。適切なときに、適切な場所にいるという「運」を生かしながら、その運に対応できたものだけが生き残っていけるのです。それがダーウィン以来の自然淘汰説の真髄です。僕は人生をそのように考えています。

では、チャンスが到来した時のために、どういう備えをしておけば良いのでしょうか。

守屋洋著「世界最高の処世術 菜根譚」(SBクリエイティブ 2015年)によれば、「たゆまぬ努力で機が熟すのを待つ」という処世術が述べられています。

努力と機が熟すときのタイミングはわかるのでしょうか。

それは、スティーブ・ジョブズさんでもわかりませんでした。

ジョブズさんが大学時代に学んだカリグラフィーという「点」が、マッキントッシュの設計に際してつながりました。

しかし、先を見越して「点」をつなぐことはできない、過去を振り返ってつながったことを確認するしかできない、したがって、点(努力したこと)がつながるものと信じるしかないと、ジョブズさんは述べておられます。

「運」に遭遇した時に適応できる能力、すなわち、「適応力」は極めて不確実性の高いものだと言えます。「適応力」自体も「運」と言っても過言ではないでしょう。

顧みると僕の場合、金融業務や総務の仕事をやり遂げたキャリアと、社会保険労務士の資格が、還暦以後の仕事において「点線」上につながったと言えるでしょう。