仕事力

心に響く自己啓発

仕事の報酬には種類があるのでしょうか?

丹羽宇一郎さんは、「仕事と心の流儀」(講談社現代新書 2019年)の中で、仕事には「見える報酬」と「見えざる報酬」の二つがあることを述べられています。

「見える報酬」とは給料です。働く者にとって給料はとても重要です。仕事の対価として、きちんと支払われるべきです。しかし、給料だけでは測れないものがある。それが「見えざる報酬」です。「見えざる報酬」とは、形に表れない心や精神面を指しています。

「見えざる報酬」の例としては、仕事が役立っていることの実感や自分自身の成長、仲間と分かち合った感動などがあります。

小宮一慶さんは、「社長の心得」(ディスカヴァー 2014年)の中で、会社が働く人に与えられる二つの幸せについて述べられています。

まず、働く幸せ、働くことそのものから得られる幸せです。

お客さまやともに働く仲間、ひいては社会に喜んでいただく喜び、そして、自分が仕事を通じて成長する喜びです。

これが第一です。そして、次が経済的な喜び。

この順番を間違えてはいけません。

 

お二人とも、給料とそれ以外の報酬(仕事そのものの喜び、自らの成長、仲間との感動など)を言及なさっておられます。

顧みると、僕が新任の管理職として新しい職場に就いたとき、部下はさっそく相談事や起案文書を持ってきました。このような相談事などに僕が対応できるのは、以前の職場での経験や学んだことが活きているからだと、実感しました。

職場とは、給料をもらって、仕事という厳しい実習を遂行させてくれる「道場」であると、僕は解釈しています。その職場で身につけた仕事力を、転職という「他流試合」においても、存分に発揮しなければならないと。そのためには、常に熱意を込めて仕事に取り組まなければいけないと、僕は思っています。