スティーブン・R・コヴィーさんの著書「7つの習慣:成功には原則があった!」(キングベアー出版 2009年)*1に「第7の習慣 刃を研ぐ」があります。
この習慣の説明に当たり、木こりの寓話が記されています。概略は次のとおりです。
山中で旅人が木こりに出会いました。様子を見ると、木こりは作業がはかどっておらず、ノコギリの刃がボロボロになっていました。
旅人が「休憩して、ノコギリの刃を研いだらどうか?」と問いかけました。
木こりは「忙しくて休んでいる時間がない」と答えました。
「刃を研ぐ」という習慣は、自分の肉体や精神などを磨き、仕事力を高めることを意味します。
枡野俊明さんの著書「心配事の9割は起こらない」(三笠書房 2013年)には、禅語の「七走一坐(しちそういちざ)」、中国古典の「一日一止(いちにちいっし)」という言葉が記されています。
「七走一坐」とは、七回走ったら、一回は座ることを意味し、止まることも正しい選択だと言っています。
また、「一日一止」とは、一日に一回は立ち止まって自分を省みるという意味です。「一止」の文字に注目してください。「止」の上に「一」を乗せると、「正」という文字なります。「一回、止まること」は正しいことなのです。
忙しい時もありましょう。ライバルががんばっている姿が気になることもありましょう。しかしながら、いったん止まって呼吸を整え、反省し自らを磨くことは大切なことなのです。