カナダにヘンリー・ミンツバーグさんという経営学者がいます。この先生は独特の考え方を主張する方で、「MBAが会社を滅ぼす」なんていう本も書いています。
ミンツバーグさんは、「エッセンシャル版 ミンツバーグマネジャー論」(日経BP社 2014年)という著書の中で、「グローバル」ではなく「ワールドリー」であるべきだと、次のように主張しています。
近年、マネジャーは「グローバル」であるべきだと言われることが多い。しかし、マネジャーにとってそれより大事なのは、「ワールドリー」であること、すなわち広い視野をもつことだ。グローバル化は人々にある種の均質化を強いる面があるが、マネジャーは均質であるべきなのだろうか。
「ワールドリー worldly」という英語の意味には、人生の経験が豊富であること、世の中の事情に通じていること、実務処理能力が高いことが含まれています。
ちなみに「グローバル global」には、世界的な規模を表すほか、包括的という意味もあります。
僕は物事に集中しすぎるほうなので、自分の担当職務に没頭し「木を見て森を見ず」になりがちでした。「外向き、外向き」と自分を言い聞かせて、できるだけ広い視野で物事を考えるよう努めたいと思っています。
近頃はAI(人工知能)などの発達が著しいです。そこで、人間でないと習得し活用できないとされる「リベラルアーツ」(職業や専門に直接結びつかない教養のこと)が注目されています。今後ますます、幅広い教養の必要性を感じます。
「ワールドリー」な視点で仕事に取り組み人生を歩むことを心がけたいものです。