仕事力

心に響く自己啓発

女性の社会進出は、まだまだなのでしょうか?

渋沢栄一さんは、天保の改革ごろから満州事変ごろまで生き抜いた偉人で、女性の地位向上も唱えた方でした。渋沢栄一著・守屋淳訳「現代語訳 論語と算盤」(ちくま新書 2010年)によると、

女性に対する昔からの馬鹿にした考え方を取り除き、女性にも男性と同じ国民としての才能や知恵、道徳を与え、ともに助け合っていかなければならない。

と述べ、女性への教育を活発化させる必要性を説いています。

戦後、女性の参政権が実現しました。また、労働基準法男女雇用機会均等法、育児や介護にかかる法律なども整備されてきました。

しかしながら、出口治明さんは、著書「最後の講義 完全版 適応力」(主婦の友社 2021年)において次のように述べています。

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムジェンダー格差に関する報告書「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数2019」によれば、日本の女性の社会的地位は世界153か国中121位で、G7では最下位。この順位の低さは日本のユニコーン企業の少なさとも関係しています。

2022年の同指数で見ても116位(146か国中)です。同指数の内訳を見ると、「教育」と「健康と生存」は平均値を上回っていますが、「政治的エンパワーメント」と「経済活動の参加と機会」が平均値を下回っています。

中田亨(とおる)さんは、著書「理系社員のトリセツ」(ちくま新書 2015年)の中で、女性の理系研究職が少ないと述べています。

総務省による「科学技術研究調査報告」によると、2014年現在で理系研究職のうち女性が占める割合は14.6%と極端に少ない。

2021年現在の同調査報告にて女性研究者の割合を調べると、17.5%でした。

中田さんは、こういう危惧もされています。

理系が男性ばかりでは、男性の生活しか分からない。こんな状況では、社会のために何を研究すべきなのか、何が本当に売れる技術なのか、分からず仕舞いである。

日本のユニコーン企業が少ないという一因なのかもしれません。

女性の社会進出はまだまだですね。家事、出産、育児、介護などの問題について、男性も真剣になって社会全体で積極的に取り組む必要があると思います。