本には、情報や知識という高い価値があります。
全体最適の観点からいうと、本は買って読むべきです。
みんなが図書館で借りるようになると、図書館が超満員になってしまいます。また、本の著者だけでなく、出版社や印刷製本会社も経営が成り立たなくなってしまいます。
大人にとって、図書館の本当の利点は、絶版になった名著を読んだり、雑誌のバックナンバーを利用したりできることでしょう。
話がそれますが、国立国会図書館のホームページを使ったら、雑誌記事を検索できます。その検索した情報に基づいて、地元の図書館で必要な雑誌を閲覧できます。地元図書館に欲しい雑誌がない時は、有償になりますが、国会図書館などから雑誌記事の写しを取り寄せすることができます。このやり方は、図書館の職員さんから教えていただいて、実際、僕は経験しました。
話を戻します。僕の家族はマジョリティの「本を買う派」です。僕は「図書館で借りる派」なのです。
なぜ、僕が本を買わないかというと、一つは部屋が狭いことです。もうひとつの理由は、家計に潤沢な図書費がないことです。僕は図書館が本棚だと、原則としてとらえることにいます。
僕が本を買うのは、本の情報すべてを手元に置いておきたい時と家族などに本をプレゼントする時くらいです。
山口周さんは、著書「読書を仕事につなげる技術」(KADOKAWA 2015年)によると、この方は「本を買う派」です。
著者は本に線を引いたりコメントを書いたりして、本自体を読書ノートのように使っていらっしゃいます。著者のやり方は効率的です。しかし、図書館の本はみんなのものですから、そういうことはできません。
著者と意見が合う点は、「忘れる」ことを前提に本を読んでいることです。
著者は「エバーノート」を用いて、読んだ本の情報を検索できるようにしておられます。
僕はワープロソフトでキーワードやキーセンテンスなどを入力しておいて、キーワード検索で保存した情報を抽出しています。
ちなみに、ワープロソフトの読書ファイルに情報を無限に保存できるかと思いきや、95万文字近くなると保存ができなくなりました。今は、新たな読書ファイルに情報を保存しています。
山口さんの本で、とくに教訓になったことは「つなげる」ということです。
1 読書を仕事につなげる
書名のとおり、仕事につなげることが目的です。
2 要素の「つなぎ目」にチャンスがある
経営戦略、財務、人事、マーケティング、研究、製造……など、それぞれの要素については専門家が大勢います。しかし、要素の「つなぎ目」に強い人が少ないのではないでしょうか。異なった領域をつなげる人に価値が出てくるのではないかと、述べられています。
3 成果とはインプットをアウトプットにつなげる力
努力を成果につなげることは重要です。
4 知識を仕事の成果につなげる方法
教養書においては情報を抽象化することだ、つまり、「要するに〇〇だ」とまとめてしまうことだと、説明されています。
5 創造性とは「なにかをつなげること」なんだ
スティーブ・ジョブズさんの言葉です。既存の何かと何かをつなぎ合わせて、新しいものを創ることです。
本を買うにしても、図書館を利用するにしても、検索のために情報を保存する際は、少なくとも、書名、著者名、出版社名、発行年月日を記録しておくことをお勧めします。これらの要素が漏れていると、保存情報の価値が著しく低下してしまいます。