仕事力

心に響く自己啓発

「三方よし」の現代的意味とは?

近江商人の心得は、売り手よし・買い手よし・世間よしの「三方よし」と表現され、広く知られています。

 

近江商人といわれる人々は、地元の近江を活動の場とするのではなく、近江国外で原材料の移入と完成品の移出を手がけていました。他地域での行商人であった近江商人は、行商先の人々との間に「信用」という財産を築いていかなければなりませんでした。

それは、一回きりの商いではなく、商売をしようと見込んだ地域へ、毎年出かけ、地縁や血縁もない所で得意先を開拓し、地盤を広げていく必要があったからです。

そのための心構えが、「三方よし」という言葉に集約して表現されるようになったのです。

 

末永國紀(すえなが くにとし)さんは、著書「近江商人学入門 改訂版」(サンライズ出版 2017年)の中で、「三方よし」の現代的意味を次のように述べておられます。

売り手よしは、単純に売り手の都合優先ではなく、売り手の働く環境が好いこと、すなわち従業員満足と解して、はじめて現代的意味を持つ。従業員満足のもとでの自発的な創意工夫や努力によって、買い手よしの顧客満足を与えることができれば、充実感や達成感を通して世間よしという社会満足へ連なる仕事であることを実感できるであろう。

従業員満足顧客満足→社会満足と連なる三つの満足が、「三方よし」という言葉に集約されるのです。売り手には従業員満足が含まれ、売り手と買い手の当事者間の満足だけでなく、その地域社会全体の幸福をもたらすものなければならないのです。

僕はこれまでも「三方よし」という言葉を使ってきましたが、著者の本を読んで深い意味を学び、この言葉にいっそう共感しました。

 

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