仕事力

心に響く自己啓発

井戸水のような思考

僕は小学生のころ、田舎で美味しいスイカを食べたことを覚えています。井戸の中で冷やしたスイカです。甘くて、しかも冷たいのです。当時の田舎には冷蔵庫がありませんでした。井戸が冷蔵庫の代わりになっていました。

ちなみに、都会でも電気で冷やす冷蔵庫がなく、氷屋さんが運んできた氷で冷やす冷蔵庫が重宝された時代がありました。その後、電気冷蔵庫が出現しましたが、最初のころの冷蔵庫は、アイスクリームを保存できませんでした。

水道の水は、夏にはぬるくて、冬は現在の冷蔵庫で冷やしたような冷たさを感じます。それに引き換え井戸水は、夏は冷たく、冬は温かいです。井戸水は外気の温度に左右されにくいのです。

童門冬二さんは、著書「90歳を生きること」(東洋経済新報社 2018年)の中で、こういう人がいると述べています。

人間も同じだ。社会が熱くなったり冷たくなったりするのに合わせて、自分が熱くなったり冷たくなったりする人がいる。

著者は、このような水道水のような人ではなく、「井戸水のように生きる」人を尊敬されています。

世の中には、流行やトレンドがあります。

新NISAだ、ふるさと納税だ、インフルエンサーだ、ロボットだ、生成AIだ等々。

世の中の動きに関心を持つことはもちろん大切ですが、熱くなってすぐに、その動きの渦に巻き込まれてしまうのはちょっと早計ではないかと、僕は思います。

時流に乗りながらも、ちょっと距離感を持って考えてみる。逆張りも一つの方策です。

著者はまた、こう述べています。

世の中がどんなに熱くなろうと熱くならない。どんなに冷え込もうと冷たくならない。一定の体温を保って生きている。

こういう井戸水のような思考が大切だと思う今日このごろです。