仕事力

心に響く自己啓発

商売は「売って代金をもらったら終わり」ではない

マーケティング専門家の永井孝尚(たかひさ)さんの著書「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」(SB新書 2016年)を拝読しました。著書の中に、「人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか」という章があります。

僕がベンツを買うことはあり得ませんが、初めて買った人はどういう心境なのでしょうか。ベンツを買ったという喜びと裏腹に、「高い買い物だったけど、本当にいい買い物だったのか」という不安が募るそうです。そのため、ベンツを買った人の多くは、ベンツの広告をしげしげと見てしまうとのことです。

買い手の心境はわかりましたが、売る側はどういう対応をしているのでしょうか。

メルセデス・ベンツ社は、販売後5年ほど経過するまでお客さんにコンタクトをとらなくても大丈夫とは考えていません。そんなことはなく、ベンツオーナーになってもらうと、会員専用の便利なサイトを使えるようにしています。それに加えて、オーナー限定のサーキット体験や新車発表パーティに招待し、オーナー同士の交流も可能にしています。万一、故障した時のアフターケアも行き届いているそうです。

よって、ベンツオーナーは、「やっぱりベンツを買ってよかった」と満足し、あるいは感動します。国産の小型車しか買ったことがない僕には、体験できないことです。

商売で大切しないといけないのは「信用」です。信用の確保を継続すると、老舗(しにせ)となり、ブランドとして成長いきます。買い手側から見ると、ベンツのように信用を大切にする会社に対してお客さんはファンになります。

商売は「売って代金をもらったら終わり」ではなく、永遠にお客さんへのアフターサービスは続くものと心得ておく方が得策です。