「一日一止(いちにちいっし)」という言葉があります。これは、一日に一回は立ち止まって自分を省みるという意味です。「一止」の文字に注目してください。「止」の上に「一」を乗せると、「正」という文字なります。一日に「一回、止まること」は正しいことだと、文字は語っています。
また、ベンジャミン・フランクリンのように一週間ごとに反省をするのも一つの方法です。自分を省みる、反省することは良いのですが、その結果、ネガティブな気持ちになってしまっては明日へと結びつきません。
メンタルコーチの大平信孝さんの著書「やる気に頼らず『すぐやる人』になる37のコツ」(かんき出版 2021年)を拝読し、ポジティブに反省するコツをいくつか見つけました。
1 「できた できなかった」「勝った 負けた」「成功した 失敗した」などの二者択一ではなくて、評価の目盛りを小さくする
たとえば、「5点 よくできた」「4点 できた」「3点 まあまあ」「2点 あまりできなかった」「1点 できなかった」というふうに、評価基準を増やして反省するのが望ましいと言えます。もっと目盛りを細かくしても良いかもしれません。
2 「できなかった」ことではなく、「できた」ことに焦点を当てる
仕事や目標の達成度合いが低くても、その中で「できた」ことをメモするなどして数え上げるとネガティブになりにくいです。試験の点数で言うと、満点ではないけれども「できた」ことについて部分点を加算するのです。
3 「成果」ではなく、「努力」を評価する
成果については合格点を取れなかった場合でも、努力したという行動について合格していれば、「一生懸命やった」と評価するわけです。ただし、努力する方向が間違っていないかをよく考えて、トライ&エラーを繰り返すことが大切だと思います。
ポジティブに反省する、言い換えると、反省はするが後悔をしないことが明日への希望となるでしょう。