書名:社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
著者:ちきりん
出版社:大和書房 だいわ文庫
出版年:2014年
著者のちきりん女史は有名なブロガーです。ブログを始めるとき色々検討したのですが、著者がはてなブログを使っておられるので、僕もマネをしたと言っても過言ではありません。
この著書によると、著者は50か国以上旅行されたそうです。複数回訪れた国もあるとのこと。イースター島、マチュピチュなど交通が不便な地域にも訪問されています。
本書は単なる観光やバカンスの旅行記ではありません。その国・地域で見聞したことと、歴史や地理の知識を交えて考察されまとめ上げられています。
僕はかつて、シンガポール、イギリス統治時代の香港、ハワイの3か所を訪れましたが、経験談と言えるほどのものはほとんどありません。
著者の勇気、好奇心、行動力、コミュニケーション力、観察力、着眼力、洞察力に圧倒されています。
ある国で訪れたレストランで、仲間の一人が紅茶をオーダーしました。運ばれてきたのは、「白湯が入ったカップ」と「皿に乗せられたリプトンのティーバッグ」でした。著者は、サービスが悪いと怒ったり思考停止したりしません。その国ではリプトンのティーバッグが高級な舶来品であり、紙袋のまま提供することが、レストランにとって「最高のおもてなし」なのだと、突き止めました。
「もし海外に行けるなら、ルーブルを見たい」という夢を僕は持っていますが、国内の美術館ですらほとんど行ったことがありません。
著者は世界中の有名な美術館や博物館を見学されています。ウィーン美術史美術館ではハプスブルク家という王家の財宝が展示され、ルーブル美術館ではパリに集まった芸術家たちが残した作品が展示され、大英博物館では世界各地から持ち帰った古代遺跡の発掘品が展示されています。こうした展示物の特徴のほか、年代別、地域別などといった展示方法についても著者は観察されています。
メトロポリタン美術館などアメリカにも有名な美術館があります。ヨーロッパのような歴史がないアメリカでは、大富豪が大金を払って収集したコレクションが展示されているのだと言及されています。僕は、有名な美術館や博物館の成り立ちについてなるほどと納得してしまいました。
僕が初めて飛行機に乗ったのは、シンガポールへの旅でした。
シンガポールの一人当たりGDPは、今やアメリカをも上回っています。またシンガポール航空は、他国の航空会社にサービス面で負けていません。
なぜシンガポールはがんばるのでしょうか。、それは日本の一つの県より狭い国土の都市国家として存続していくためなのです。航空会社を例にとると、他国はドル箱の国内路線を持っていますが、シンガポールは国際線しかありません。国際線で儲けないと、生き残れないのです。
僕がシンガポールを訪れた時、現地では「ルック・イースト」(日本を見習え)でしたが、現在の日本では「ルック・ウエスト」(シンガポールを見習え)と言うべきではないでしょうか。
あまり海外旅行や美術館巡りをしたことのない僕にとって、この著書を拝読したおかげで海外の貴重な体験情報や知識を得られました。世界中を知的に駆け巡った感じです。