「高品質 低価格」と言われることがあります。この言葉をよくよく考えてみると、矛盾しています。品質の良いものを作ったら、その分コストが高くなり高価格になります。逆に、価格の安いものを作ろうとすると、品質が低下する恐れがあります。通常は、「高品質 低価格」とは矛盾を含んだ言葉なのだと言えます。
ファーストリテイリング代表の柳井正さんは、彼の著書「経営者になるためのノート」(PHP研究所 2015年)の中で、ビジネスにおける矛盾を解決することの重要性を説いています。
同社では、数々のヒット商品を世に出し、積極的な店舗展開も行なわれています。そういう商品開発や店舗展開のプロセスで、矛盾と向き合い、矛盾を解決してきたと述べられております。当然、企業秘密になることですので、残念ながら、同社が行なった具体的な解決プロセスは述べられていません。
他業界を見ても、いわゆる100円ショップや回転すし店でも、びっくりするほど高品質なものが低価格で提供されているのがわかります。矛盾を克服できなかった同業店は淘汰されているのも事実です。
僕はもう一度、著書を読み返してみました。「変革する力」の章に、二つの大切な心構えが記されていました。
「上には上がいると思うこと」
「世の中には、今までに起きてないことはないと思うこと」
もしかしたら、もっと良い方法があるのではないか、世の中のどこかに成功に導くヒントが転がっているのではないかと、考えることです。考えるだけでなく、やろうとしていることを、すでにやっている人の本を読んだり、そのご本人に会ったり、現物を見せてもらったりすることも大切です。矛盾を克服する端緒になるのではないでしょうか。
矛盾を克服することは並大抵のことではありません。プロでないとできないと、柳井さんも述べています。誰にでもできることではないだけに、矛盾を克服したところに、大きなチャンスが待っているのです。