仕事力

心に響く自己啓発

山中伸弥先生の「塞翁が馬」

近畿大学の卒業式・入学式で著名人が語った励ましのスピーチを収録した「近大スピーチ」(Gakken 2025年)を拝読しました。

山中伸弥先生のスピーチ「塞翁が馬……だから人生は楽しい」では、ノーベル賞を受賞した偉大な研究者にも挫折があったことに驚きました。

山中先生は「たくさんの『塞翁が馬』があった」と語っておられます。

志望する大学の医学部に入学できたことは、幸運なことです。

医学部を卒業して、大阪にある立派な病院に外科医として就職できたのもラッキーです。

しかし、厳しい上司から指導を受け、「山中」ではなく「ジャマナカ」と呼ばれ、毎日のように叱られ、臨床医としての仕事に自信を失ってしまいました。ここで、山中先生は1度目の大きな挫折を経験されました。

医学関係の研究者となって人生をやり直そうと、大学院に入りました。そして、アメリカで研究する幸運に恵まれました。研究者としての才能があるのではないかと思ったそうです。

ところが帰国したら、実験で使うネズミの世話と担当させられました。来る日も来る日も200匹・300匹のネズミの世話ばかりです。日本は研究する環境が悪いなと感じました。

「もうダメだ」と研究者の道から逃げ出そうとしました。2度目の大きな挫折です。再び臨床医として勤務しようとしたのです。けれども、臨床医として再出発する道も頓挫しました。

どう生きるか、もがいていましたが、「iPS細胞」に出合って、研究者として道が開けました。まさに「人間万事塞翁が馬」です。

ノーベル賞を受賞した後も、山中先生によれば「塞翁が馬」が続いているそうです。

人にはそれぞれ、その人なりの「塞翁が馬」があります。幸運に恵まている時も不幸な時もあります。むしろ、大変なことが起こった時こそチャンスととらえるべきだ、だからこそ人生は楽しいのだとおっしゃっています。

振り返ると、僕にも「塞翁が馬」の人生がありました。その時々の境遇を受け入れ、どっしりと構え、目の前のことに熱意を込めて取り組むことが大切だと感じました。