ミャクミャクをマスコットにした万博は終盤を迎え、連日入場者数が20万人台で大盛況だ。僕が万博見学をした4月の入場者数は10万人前後だった。比較すると、入場者は2倍以上に増えている。
僕は一度行っただけで満足だったのだが、妻は先日、三度目の万博に行った。行く前に子や孫から、お土産をおねだりされた。万博入場の一番の目的が見学からお土産へと様変わりした。
妻は入場すると、一目散に西ゲートの土産物売り場に向かった。午前10時頃に着いたそうだ。僕と行ったときと比較にならないくらい、ごった返していたらしい。妻と同様に、早朝からお土産を目的にするお客さんが多いのだろう。
ミャクミャクとキティちゃんがコラボしたグッズが目当てだった。しかも、基調色が赤いものと青いものが売られているそうで、青いほうがより好まれている。ランドセルやカバンなどに付けられるキーホルダーが欲しいとねだられていた。
しかし、土産物売り場に入った時点でミャクミャク・キティちゃんコラボのキーホルダーは完売。青い基調色のグッズもほとんど売り切れていたそうだ。やむを得ず、妻はおねだりされたものと異なるキーホルダーや袋物、ボールペン、おはしなどを買って帰った。
これは孫へ、これも孫へ、これも孫へ、これは息子へ、これは息子の配偶者へ、これは娘へ、これは娘の配偶者へ、……こうして妻はお土産を分けた。
僕は小声で妻に尋ねた。「ジイのは?」
「ない」という返事が返ってきて、一瞬よろけそうになった。
万博は閉幕まで間近だ。しかも人気商品が品薄だ。ロバート・B・チャルディーニさんが言う「希少性」が働いていると考えられる。
開幕前後の頃は「グロテスクだ」「血だらけだ」とネガティブな批評も多く受けたミャクミャクだが、これほど人気が高まるとは? 考えてみれば、1970万博の「太陽の塔」も異様なデザインだ。デザインの天才は、普通の人が考えないようなものを創造するため、最初は受け入れにくいのではなかろうか。