仕事力

心に響く自己啓発

売上は満足できる程度あれば良い

佰食屋(ひゃくしょくや)を経営する中村朱美さんの著書「売上を減らそう。」(ライツ社 2019年)を拝読した。

佰食屋は、「1日100食しか売らない」「ランチタイムしか営業しない」飲食店だ。営業時間はわずか3時間半、午後2時30分には店じまい。国産牛のステーキ丼などを食べさせてくれるらしい。

売上高に対する食材原価は約50%、人件費は約30%、合わせて80%を占める。これらのコストを約50~55%に抑えるのが飲食店経営の鉄則だから、佰食屋はこれで儲かるのかという経営をしている。

従業員の採用基準もユニークだ。「営業をバリバリ頑張ります!」と意欲的な人、「もっとこういうふうにしたら売上が伸びるのではないでしょうか?」と自ら企画やアイデアを提案できる人は、ほかにふさわしい職場があるからと採用しない。「真面目にコツコツと仕事ができる人」や「おとなしくて消極的だけど、人にやさしく接することができる人」を採用している。かと言って給与水準はデパート並みに設定されており、決して低い水準ではない。

有給休暇は完全消化、フルタイム従業員の労働時間は午前9時半~午後5時半、残業なしと、ホワイト企業だ。

ディナータイムに営業するなど、売上を拡大する方策は採用せず、「従業員が働きやすい会社」を目指している。需要は十分あるので、立派に経営として成り立っている。

 

我が家の近所にペットサービス店がある。「予約受付は終了しました」「新規のお客さんはご遠慮願います」などと告知している。新規のお客さんには同業者を紹介する。それでいて、週に2日は休業している。店舗の拡張や支店の開設もしない。

需要は有り余るほどあるのに売上拡大策を採らず、小規模ながらしっかり儲けている。

売上高の前年比を重視する企業が多いが、「売上は満足できる程度あれば良い」と言えるのかもしれない。