仕事力

心に響く自己啓発

乗り越えなくても良い「壁」もある

仕事や人生で乗り越えなくてはならない「壁」に遭遇することがある。どうしても乗り越えられない時はどうすべきか?

志賀内泰弘(しがない やすひろ)さんの著書「明日は必ず虹が出る」(PHP研究所 2025年)を拝読した。その中に「逃げたり死んだふりも時にはOK」という表題のエピソードがある。

最初に、元・電通社員の高橋まつりさんが死亡した痛ましい話から始まる。

続いて、志賀内さん自身が勤務先の上司からパワハラを受け、入院するほどの大病を患った話が語られる。

「厳しい上司」という「壁」も、努力すれば乗り越えられると思っていたそうだ。病気で倒れても、志賀内さんは自分の頑張りが不足していたと考えていた。

奥さんに言われたそうだ。「『壁』に当たったら、寝たふり、死んだふりをしなさい」と。

志賀内さんは、たとえ恥ずかしい逃げ方だとしても、生き抜くことが大切だと考えるようになった。以来、簡単に弱音を吐くようになったと、おっしゃっている。

僕は、まだパワハラという言葉がなかった頃、新しい職場に転勤したことがある。その職場で上司や先輩から能力がない、考え方が甘いなどの理由で、仕事を干されたり急な仕事を任されたりと厳しい立場に置かれたことがあった。人から何と言われようと、僕は休んだり辞めたりしようとは思わず、ただただ真面目に仕事に取り組んだ。

でも、やり遂げられなかった仕事もあった。非難を受けた。それは仕方がないことだと、僕は諦めた。

真面目な姿勢を崩さず、「壁」の前にい続けていたようだ。「あいつはバカだが、使い道のあるやつだ」と評価されたのかもしれない。いつの間にか、「壁」はどこかに行ってしまったようだ。

困難な「壁」に遭遇した時は、「壁」を乗り越えようとか、ぶつかろうとかせず、「壁」の前で立ち続けて、真面目に自分のできることだけやればいいと、僕は思う。また、エリート意識は持たないほうがよい。

真面目にやっていると、知らないうちに「壁」の向こう側に着いているかもしれない。極論すれば、仕事や人生はなるようにしかならないのだ。