昨年12月、京都・清水寺で2025年の「今年の漢字」は「熊」と発表された。
僕にとっては、「苦」が2025年の漢字と言える。体調不良や雑多な用事、心配事で心が折れ悩んだ。思えば、70年余りの僕の人生は悩みの連続であった。
デール・カーネギーの著書「道は開ける」(創元社)は、悩み対策の参考書として大いに役立った。とくに次の思考法はかけがえのないものである。
1.「起こり得る最悪の事態とは何か」を自問すること。
2.やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。
仕事の実践で学んだこともある。
1.できるだけ早期に悩みを解決すること。
解決が遅れると、周りの人たちに迷惑をかけることがある。
2.悩みの種となる案件をため込まないこと。
当該案件をため込むと、適確な思考ができなくなってしまうことがある。
最近、新たな悩み対策の著書に出会った。上場企業経営者、木下勝寿さんの著書「悩まない人の考え方」(ダイヤモンド社 2024年)である。
とくに印象に残ったことは、二つある。一つは、「思いどおりにいかない」と「うまくいかない」は違うという視点である。
我が家の例で説明しようと思う。予定していた特急電車が運休となった。思いどおりにいかなかった。僕は瞬間、遅刻を覚悟した。ところが、同じ時間帯の別路線の特急電車が動いていることがわかり、それに乗った。僕たちは約束の時間に遅れなかった。思いどおりにいかなかったが、結果的にうまくいった事例である。
仕事や人生で思いどおりにいかないことが多い。当初、計画していた手段では失敗しても、別の手段を講じることによって目的を達成することができるのだ。また、計画どおりにはいかないという覚悟を予めしておいて、代替案を用意しておくことも重要だと思う。
もう一つは、買った新車に傷をつけられた時の思考法である。僕も若い頃に同様の被害を受け、ショックを受けたことがある。
著書のエピソードで説明する。買った新車を駐車場に預けておいた。用事を済ませ戻ってきたら、ボディに思いっきり傷をつけられていた。この事態を深く考えた上で、「車を傷つけられる側の人生でよかった。ラッキー!」と評価しておられる。他人の新車に傷をつけるような心理状態や人生ではなくてよかったということだ。思考によって悩みを抱えなくて済ませられる。
悩みそうな問題に誰でも遭遇する。しかし、その問題を悩みにして抱えなくてもよい思考法があることを、僕はこの著書から学んだ。