仕事力

心に響く自己啓発

情報収集のための三つのツール

広告会社勤務の加藤昌治さんの著書「考具(こうぐ)」(2003年)を拝読した。「考えるための道具」を著者は「考具」と呼ぶ。

情報収集の仕方、アイデアの出し方、広げ方、絞り方に関して、著書では21個の考具が紹介されている。なかには多少、高度な、あるいは、手間のかかる考具も含まれる。

だが、最初に紹介される三つの考具は比較的シンプルで、しかも情報収集に有効だと、僕は思う。「考具その1」は「カラーバス」、「その2」は「聞き耳を立てる」、「その3」は「ちょいメモ」だ。これらについて僕の感想も交えて要点を述べさせていただく。

【考具その1 カラーバス】

カラーは色。バスはお風呂。バスには「浴びる」という意味合いが含まれている。カラーバスは、「色を浴びる効果」という心理現象を表わす言葉である。

たとえば、緑を意識すると決めて外出したら、緑の樹木や緑の看板、緑の本など緑色のアイテムが目に入るようになる現象だ。一見関係なさそうなものが、自然に集まってくる。複数のアイテムの新しい関係性を見いだせるかもしれない。

色だけでなく、丸いとか四角いとかの形状、季節、特定の言葉などを意識すると、特定の情報を得やすくなる。

人の長所を意識すると、周りの人々の長所に気づきやすくなる。人間関係や人材育成にも効果的かもしれない。

カラーバスは、主に目に飛び込んでくる情報を収集する考具だ。

【考具その2 聞き耳を立てる】

カラーバスに対して、「聞き耳」は耳から情報を収集する考具だ。

聞き耳は、「インタビュー」や「会話」よりハードルが低い。これは言わば間接的なインタビューだ。電車や喫茶店の中で人々の会話に聞き耳を立てて、流行や昨今の話題などを収集する。機密情報を得ることが目的ではない。

喫茶店で僕は、カウンセラーらしき人たちの会話を耳にしたことがある。その人たちのカウンセリングでは定価がなく、クライアントが値段を決めて代金を払ってくれるらしい。

【考具その3 ちょいメモ】

カラーバスや聞き耳を習慣にすると、普段知ることができない情報に遭遇する可能性が高まる。

情報を得てもアイデアが浮かんでも、人間は忘れてしまいやすい。僕は歳のせいか、すぐ忘れる。

そこで、ノートやカードにメモをとるのが望ましい。どうしてもという時は、何かの紙切れか、手のひらでもいい。キーワードだけでも書いておく。

あとでメモを見て、読めなかったりわからなかったりする場合は、ご縁がなかったか、大した情報ではなかったということになる。

以上、三つの考具を使いこなせると、役に立つ情報やアイデアを得やすくなるのではなかろうか。