幸運にも、オグ・マンディーノ著「地上最強の商人」(日本経営合理化協会出版局 1996年)を図書館で借りることができた。400ページ強の本だが、新品の価格は1万円くらいする。本編と実践編の2部で構成されている。
本編は、「THE GREATEST SALSMAN IN THE WORLD」という著書の訳本である。アラブの商人の物語であり、10巻からなる秘密の巻物が登場する。その巻物に書いていることを忠実に実行すれば、商人として成功できる。
僕なりに巻物の要点を一言で表わすと、次のようになる。
第1巻 良い習慣を会得する
第2巻 愛情をもって接する
第3巻 大数の法則を信じ、成功するまで頑張り抜く
第4巻 自分はこの世で唯一の存在であることを自覚する
第5巻 今日が人生最後の日であると心得て活動する
第6巻 自分の感情をコントロールする
第7巻 笑顔を絶やさない
第8巻 自分の能力や成果を百倍にする
第9巻 いますぐ行動する
第10巻 神の導きを得られるよう祈る
「物語に感動した。巻物には良いことが述べられているなあ。なるほど、わかった」で終わると、この本に1万円の値打ちはない。
実践編は、「THE GREATEST SECRET IN THE WORLD」という著書の訳本である。いかにして巻物の教えを習慣化するかが述べられている。この本の真髄だ。
本を読んでわかるだけではダメ。実行して終わってもダメ。継続しているだけでもダメ。条件反射ができるように習慣にしなさい、それは第1巻の巻物で述べているということである。
第2巻から以降平日のみ、各1巻について5週間連続して当該巻物を朝・昼・晩、1日3回以上読む。そして毎日(平日のみ)、計画し実践し反省し改善していくことで、巻物の教えを習慣にできる。本には、各1週間について書き込みできるワークシートが設けられている。
5週間✕9巻=45週間の努力でマスターできる。本がボロボロになるまで努力せよということだろう。
ちなみに僕はトライしていないが、本の教えを本当に習慣にすれば、数百万円、数千万円、あるいは、数億円の報酬が得られるのかもしれない。
著者であるオグ・マンディーノ氏は、ベンジャミン・フランクリン氏やクレメント・ストーン氏、フランク・ベトガー氏などの著作も研究した上で、この本を書いている。
ただし、第3巻の「成功するまで頑張れ」とか第8巻の「百倍の成果を上げよ」というのは、僕にはちょっとハードルが高すぎる。5週間連続して同じ文章を何回も読むというのも、僕には向かないかもしれない。
ほかのビジネス書などを読んで、これは習得したいというスキルやノウハウを発見したら、オグ・マンディーノ氏のやり方をまねて習慣化してみてはどうだろうか。ビジネス書に限らず、ヘミングウェイ氏の「移動祝祭日」には文章を創作するコツが述べられている。こうしたことも習慣化できるのではなかろうか。
また、5週間連続ではなく、自分にふさわしい日数や回数を継続して、習慣化を試みるのも一つの方法だと思う。たとえば、フランクリンやベトガーは、13項目の目標を掲げ、1週間に一つの項目について実践と反省を行なった。
1万円の高価な本から、「自己啓発の極意」と言える貴重なノウハウを学ばせてもらった。