ワンキャリア役員を務める北野唯我(きたの ゆいが)さんの著書「天才を殺す凡人」(日本経済新聞出版社 2019年)を拝読した。
刺激的な書名の本であるが、内容は組織人の才能を類型化し、その才能間の関係性を明らかにしたものだ。才能を「創造性(天才)・再現性(秀才)・共感性(凡人)」の3種類に分けたところが著者独特の切り口である。
一人の組織人がこれら三つの才能を持ち合わせていることもあれば、一つの才能しか持っていないこともある。本編では、わかりやすいように天才の人、秀才の人、凡人が登場し物語形式で解説されている。
ほんの一握りの天才。次に数少ない秀才。マジョリティの凡人。天才の目に見えることは言葉にしづらい反面、論理的で再現性の達人、秀才たちは他者に対するアピールがうまい。よって、天才は秀才に負けてしまう。
また、マイノリティである天才は、マジョリティである凡人に多数決で負ける。だから、天才の才能は、なかなか組織で活かされにくいのである。
天才が一番優れており、凡人が一番劣っているとは、本書では言っていない。天才の才能を活かして、組織にイノベーションを起こすことが本書の趣旨である。
どうすれば、創造性(天才)の才能を活かせるのか。それは、「共感性=凡人」の仕事である。使命感が強い凡人が、天才が考えることを他の凡人や秀才に根回しし浸透させることによって、組織が本来保有する創造性(天才)の才能を活かせるのだと、僕は解釈した。
天才、秀才、凡人がそれぞれ力を発揮してこそ、組織は発展する。そこには凡人の役割も重要なのだ。