仕事力

心に響く自己啓発

思考力

事前準備はするが、取り越し苦労はしない

事前準備と取り越し苦労は、似て非なるものです。 角川国語辞典によりますと、取り越し苦労とは「将来のことについて、よけいな心配をすること」と記されています。状況確認が不十分なのに「こんな問題が起きたらどうしよう、失敗したらどうしよう」と取り越…

チャンスをものにするためには

出口治明さんは1948年に生まれ、日本生命で長年ご活躍され、2008年ライフネット生命を設立され、2018年立命館アジア太平洋大学の学長に就任されました。まさに還暦で創業、古希で学長です。日本生命でも海外現地法人社長や本社部長を務められま…

不合理な意思決定

経営学者の高橋伸夫さんの著書「組織力」(ちくま新書 2010年)を拝読して、現実の意思決定の不合理さになるほどと感心しました。著者は第1章の冒頭でこう述べています。 人生は、勢いでしか決められない「重大な意思決定」と熟慮に基づいた「つまらない意…

「深みのある人」とは?

明治大学教授、齋藤孝さんの著書「『深みのある人』がやっていること」(朝日新書 2023年)を拝読しました。冒険家、植村直己さんの顔写真のことから始まり、その笑顔を見て彼こそが「深みのある人」だと述べられています。 フードですっぽりと覆った中に、…

明らめる

出口治明さんの著書「逆境を生き抜くための教養」(幻冬舎新書 2023年)を拝読しました。人生では、戦争や地震、台風、感染症、がん、事故、倒産など、不条理な逆境に遭遇することがあります。この著書を拝読して、逆境を生き抜く最大の知恵は「明らめる」に…

「利他の心」の真髄

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、神仏への信仰があつい方です。 1997年、著者は得度(僧侶になること)をなさいました。短期間ですが、初冬の肌寒い時期に托鉢(たくはつ)の修行に励まれました。ワラジ…

「できます」という言葉の重み

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、一生懸命がんばったら、神様から手を差し伸べてもらえるとおっしゃいます。自分の能力を上回るアイデアだから、自分で創造したのではなく、神様に教えてもらったのだと思って…

まず思うこと

稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。鹿児島大学工学部を出られた著者でさえも、新卒入社試験でなかなか合格できなかったそうです。人が人を的確に評価するということが、いかに難しいかを物語っています。 ところで、著…

向かい風とどう向き合うか?

塚本亮(つかもと りょう)さんは、高校時代偏差値30台でしたが、一念発起してケンブリッジ大学に入学卒業した方です。彼の著書「『すぐやる人』と『やれない人』の習慣」(明日香出版社 2017年)は、手元の本の奥書では「第29刷発行」と売れている著書…

サラリーマンで成功する秘訣とは?

松下幸之助さんの著書「人生心得帖/社員心得帖」(PHPビジネス新書 2014年)を拝読しました。表紙をめくると、「初心を忘れず」という著者の直筆の写しが掲載されています。壁にぶつかった時、入社した時の心境を思い出したいものです。 著者は「社員心…

左岸と右岸の農夫

幸田露伴さんは、著書「努力論」(夏川賀央訳 致知出版社 2016年)の中で、川を挟んだ左岸と右岸の農夫の話を述べています。 秋に洪水が起こり、左岸では堤防が決壊し収穫ができませんでした。一方、右岸では堤防は難を逃れ収穫ができました。このとき左岸の…

2種類の努力とは?

幸田露伴さんは、著書「努力論」(夏川賀央訳 致知出版社 2016年)の中で、「努力」を次のように定義し、その努力は2種類に分けられると述べています。 「努力」は嫌なことを我慢してやることであり、苦しい思いにも耐えて、労をいとわずに事に当たるという…

情報に振り回されない

情報には三つの種類があると言われています。 ・一次情報 自分で見聞した情報や実態調査、実験などによって直接収集した情報のことです。 ・二次情報 一次情報を編集、加工した情報のことです。 ・三次情報 情報源が定かでない情報のことです。 二次情報や三…

他者志向型のギバーを目指そう

組織心理学者のアダム・グラント教授は、ギブ・アンド・テイクという切り口で、人間の思考や行動を3つのタイプに分類しました。著書「GIVE & TAKE」(三笠書房 2014年)には、ギバー(与える人)、テイカー(受け取る人)、マッチャー(バランスを…

「あおいくま」とは?

PHPが編集した「『笑い』がいい人生をつくる」(PHP研究所 2018年)という本に、ものまねタレントのコロッケさんへのインタビュー記事がありました。 彼はお母さんから、「あおいくま」を教わり口癖になっていたそうです。これは、「あせるな」「おこ…

左遷されても、へこまない

元東レの佐々木常夫さんは、障害や重病、自殺未遂といった家庭問題に遭遇しながら、東レ経営研究所社長に就任されたビジネスマンです。 著書「完全版ビッグツリー」(WAVE出版 2012年)によると、佐々木さんは同期トップで東レの取締役に就任したのに、…

理想と現実のギャップを埋めるには?

6月2日に女優の秋野暢子さんが、先月19日にご逝去された上岡龍太郎さんの追悼に関するブログを投稿されました。 秋野さんは、上岡さんのことを大好きな人、尊敬する人と述べられ、教訓となるエピソードをブログに記されています。上岡さんと共演された番…

コインの裏側に着目する

僕が新卒で入社した頃、タバコをたしなむ人がマジョリティでした。自席の机には当たり前のように灰皿が置かれていました。社内研修に出席したらテーブルには、やはり当たり前のように灰皿が一人分ずつ並べられていました。 年月を経て今では、原則として喫煙…

捨てる神あれば拾う神あり

大山泰弘さんは、知的障害者を全従業員の7割以上雇用している日本理化学工業*1の経営者でした。同社はチョークを製造する会社で、最初は東京都大田区にありました。彼の著書「日本でいちばん温かい会社」(WAVE出版 2016年)を拝読しますと、ご縁という…

中庸が大切か?

僧侶の浦上哲也(うらかみ てつや)さんは、著書「てきとう和尚が説くこの世の歩き方」(PHP研究所 2022年)で「適当」に生きてはどうかと問うていらっしゃいます。 「適当」を辞書で引くと、次のように記されています。 ① ある状態や目的などに、ほどよ…

欠点を克服するには?

ヤクルト・スワローズの名キャッチャーとして活躍された古田敦也さんは、順風満帆の野球人生を送られたものと思っておりました。古田さんの著書「『優柔決断』のすすめ」(PHP新書 2009年)を読んで、彼は大きな欠点を乗り越えて大成されたことを知りまし…

「その日の100点」とは?

孫への接し方をもう少し工夫できないだろうかと、僕は思いました。そこで、カリスマ保育士として有名な「てぃ先生」の著書を読んでみることにしました。てぃ先生は、関東の保育園に勤める男性保育士です。 「カリスマ保育士てぃ先生の 子育てで困ったら、こ…

つらい計画を先延ばししないためには?

経済学者の大竹文雄さんの著書「行動経済学の処方箋」(中公新書 2022年)によりますと、夏休みの宿題をいつ頃やったかについて、大阪大学でアンケート調査を行ったことがあるそうです。7割以上の人たちが夏休みの終わりの頃に宿題をしていました。最初は夏…

「むっちゃ夢中」になれますか?

2023年2月27日(月)の「プロフェッショナル仕事の流儀」は、「平凡な日常は油断ならない~歌人・俵万智~」という番組でした。 俵さんの「努力できるということも実力のうち」という言葉が印象に残っていることもあって、この番組を録画して視聴しま…

「無知の知」の意義とは?

古代の哲学者、ソクラテスは、「無知の知」を考え方の原点としていました。無知の知とは、自分がわかっていないことを自覚することです。このことが正しく物事を考える場合の土台となっています。「わからないこと自体がわからない」状態より、「わからない…

福澤諭吉が費やしたサンクコストとは?

サンクコスト(埋没費用)とは、すでに使ってしまって取り返しようがない投資額や時間のことを言います。たとえば株式投資をしたが、株価が下り回復する可能性がないとき、その投資額がサンクコストと言えます。基本的に、回収できる見込みがないなら、サン…

「しぶとさ」は大いなる武器か?

建築家の安藤忠雄さんは、大学に進学せず独学で建築を学んだ方です。 安藤さんの著書「安藤忠雄 仕事をつくる」(日本経済新聞出版社 2012年)によると、JR京都駅の大階段を見上げるたびに、優れた建築への素直な感動とともに、悔しさも込み上げてくるそう…

「異質」の人が集まると?

16~17世紀の話ですが、オランダはもともとスペインの植民地でした。オランダの国民はプロテスタントですが、カトリックの国、スペインから重税だけでなく宗教の弾圧も受けていました。 田中靖浩さんの著書「会計と経営の七〇〇年史」(ちくま新書 2022…

「得をしたい気持ち」と「損をしたくない気持ち」はどう違うのでしょうか?

11月の我が家では、孫の七五三と孫の誕生日という二つのイベントがありました。いずれも、食事会を伴い、僕がその費用を負担します。 七五三の際には、プレミアム食事券を買いそびれてしまい、9,000円で美味しい料理をいただいたのに「損をした」という気…

リスクと手堅さのバランスをとるには?

初めての仕事に取り組むことや初めての職場に勤めることは、リスクです。知らないことが多いので、不安になってしまいます。 羽生善治さんは、著書「大局観」(角川新書 2011年)の中で、新しい作戦を考えたら本番でそれを試すリスクを冒さないと、プロ棋士…