2023-01-01から1年間の記事一覧
書名:三千円の使いかた 著者:原田ひ香 出版社:中公文庫 出版年:2021年 物語の冒頭は、こう始まります。 人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母言った。 祖母、母、姉妹の3世代、4人の女性の人生とお金にまつわる話です。不動産、投資信託、結婚…
書名:おらおらでひとりいぐも 著者:若竹千佐子 出版社:河出文庫 出版年:2020年 主人公は後期高齢者になるのが間近の74歳の老女です。故郷の東北を離れて50年になります。夫とは恋愛結婚し31年間暮らしましたが、心筋梗塞で先立たれました。愛だ恋…
ノンフィクションライターの佐々涼子(ささ りょうこ)さんの著書「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている」(早川書房 2014年)を拝読しました。 2011年3月11日14時46分、石巻市を代表する事業所「日本製紙石巻工場」も、東日本大震災に遭遇しま…
稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、神仏への信仰があつい方です。 1997年、著者は得度(僧侶になること)をなさいました。短期間ですが、初冬の肌寒い時期に托鉢(たくはつ)の修行に励まれました。ワラジ…
稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。著者は、一生懸命がんばったら、神様から手を差し伸べてもらえるとおっしゃいます。自分の能力を上回るアイデアだから、自分で創造したのではなく、神様に教えてもらったのだと思って…
稲盛和夫さんの著書「生き方」(サンマーク出版 2004年)を拝読しました。鹿児島大学工学部を出られた著者でさえも、新卒入社試験でなかなか合格できなかったそうです。人が人を的確に評価するということが、いかに難しいかを物語っています。 ところで、著…
アーネスト・ヘミングウェイさんの著書「移動祝祭日」(新潮文庫 2009年)を拝読しました。この著書には、1921年から1926年にかけて彼がパリで過ごした若き日の思い出が描かれています。 冒頭に、彼が友人に贈った言葉が記されています。 もし幸運に…
書名:料理通異聞 著者:松井今朝子 出版社:幻冬舎 出版年:2016年 この本は、江戸時代後期の名料亭「八百善」をつくりあげた主人公、善四郎の一代記です。祖先は八百屋で、父親は江戸山谷で「福田屋」という精進料理店を営んでいました。その跡取りが善四…
USJをV字回復させ一躍有名になった森岡毅(もりおか つよし)さんのテレビ番組を、昨日NHKで拝見しました。番組名は「『インタビュー ここから』森岡毅さんに聞く」です。 森岡さんはマーケターとして大活躍されていますが、社会人になった頃は「消費…
塚本亮(つかもと りょう)さんは、高校時代偏差値30台でしたが、一念発起してケンブリッジ大学に入学卒業した方です。彼の著書「『すぐやる人』と『やれない人』の習慣」(明日香出版社 2017年)は、手元の本の奥書では「第29刷発行」と売れている著書…
18世紀のアメリカの科学者で政治家でもあったベンジャミン・フランクリンさんがペンシルベニア州の議員時代、議会で彼の意見にいつも反論してくる議員がいました。彼は、その議員が興味深い蔵書を持っていることを知り、「蔵書を貸して欲しい」とのお願い…
デール・カーネギーさんは著書「人を動かす」(創元社 文庫版 2016年)の中で、人の心をとらえるには、相手が深い関心を持っていることを話題にすべきだと説いています。 事例の一つとして、ボーイスカウトの仕事をしているエドワード・チャリフさんの手紙を…
ウォルト・ディズニー・カンパニー元CEOのロバート・アイガーさんの著書「ディズニーCEOが実践する10の原則」(早川書房 2020年)を拝読しました。アイガーさんの平社員時代からディズニーCEO時代に至るまでの数々のエピソードが散りばめられた著…
松下幸之助さんの著書「人生心得帖/社員心得帖」(PHPビジネス新書 2014年)を拝読しました。表紙をめくると、「初心を忘れず」という著者の直筆の写しが掲載されています。壁にぶつかった時、入社した時の心境を思い出したいものです。 著者は「社員心…
最近は各種の「ハラスメント」が注目されるようになりました。パワハラ、セクハラだけでなく、マタハラ(マタニティハラスメント)やカスハラ(カスタマーハラスメント)という言葉も一般的になりました。ハラスメントが起きると、重大問題となります。 先日…
論文名:「オーグメンテーション:人工知能と共存する方法」 著者:トーマス・H・ダベンポート、ジュリア・ガービー 出典:「人工知能―機械といかに向き合うか」 ダイヤモンド社 2016年 発表年:2015年 【あらまし】 自動化で仕事は奪われるのか <自動化の…
【制度の概要】 国民年金の被保険者は、次の三つに分類されます。 ・第1号被保険者 自営業者、学生、無職の人やその配偶者などで、第2号被保険者や第3号被保険者でない国内に居住する20歳以上60歳未満の人です。 ・第2号被保険者 会社員や公務員など…
書名:七つの会議 著者:池井戸潤 出版社:集英社文庫 出版年:2016年 この本は、年商1千億円規模の中堅企業で起こった不祥事の物語です。全8章からなる連作短編小説です。 第1章はパワハラ問題、第2章は下請の町工場の経営問題、第3章は女性社員の退職…
幸田露伴さんは、著書「努力論」(夏川賀央訳 致知出版社 2016年)の中で、川を挟んだ左岸と右岸の農夫の話を述べています。 秋に洪水が起こり、左岸では堤防が決壊し収穫ができませんでした。一方、右岸では堤防は難を逃れ収穫ができました。このとき左岸の…
幸田露伴さんは、著書「努力論」(夏川賀央訳 致知出版社 2016年)の中で、「努力」を次のように定義し、その努力は2種類に分けられると述べています。 「努力」は嫌なことを我慢してやることであり、苦しい思いにも耐えて、労をいとわずに事に当たるという…
情報には三つの種類があると言われています。 ・一次情報 自分で見聞した情報や実態調査、実験などによって直接収集した情報のことです。 ・二次情報 一次情報を編集、加工した情報のことです。 ・三次情報 情報源が定かでない情報のことです。 二次情報や三…
書名:京都祇園もも吉庵のあまから帖 著者:志賀内泰弘(しがない やすひろ) 出版社:PHP文芸文庫 出版年:2019年 元芸妓のもも吉は、京都祇園で甘味処「もも吉庵」を営んでいます。お茶屋造りの外観で看板はなく、いわゆる「一見さんお断り」の小さな店…
志賀内泰弘(しがない やすひろ)さんの著書「元気が出てくる『いい話』」(グラフ社 2004年)によると、著者は土砂降りの日に披露宴のスピーチを頼まれたそうです。スピーチは主賓から始まり、著者は最後の6番目に登場する順番になっています。 主賓のスピ…
志賀内泰弘(しがない やすひろ)さんの著書「寝る前5分で読める心がほっとするいい話」(イースト・プレス 2017年)を読むと、ほっこりとします。その中に、著者が名古屋のタクシー運転手の古川さんからお聞きになった、なるほどと思う話があります。 タク…
経営学者の井上達彦さんは、著書「模倣の経営学」(日経ビジネス人文庫 2015年)の中で、従来の事業の逆張りを行う反転模倣についてグラミン銀行を例にして述べています。 グラミン銀行は、1983年にバングラデシュでムハマド・ユヌスさんが創設しました…
ロバート・B・チャルディーニさんが、名著「影響力の武器 第二版」(誠信書房 2007年)*1の中で提唱しているものの一つに、一貫性があります。 一貫性の原理とは、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他人にそう見られたいとい…
書名:阪急電車 著者:有川浩(ありかわ ひろ) 出版社:幻冬舎文庫 出版年:2010年 この本は、関西私鉄のローカル線、阪急今津線を舞台とした物語です。路線情報によると、今津線の宝塚~西宮北口間は、乗車時間14分、運賃が200円です。この区間には八…
返報性の原理とは、人から親切にしてもらったときに「同等のお返しをしないといけない」と感じる人間にとってごく自然な心理現象のことです。ロバート・B・チャルディーニさんの名著「影響力の武器 第二版」(誠信書房 2007年)*1に、この返報性について詳…
書名:復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる 著者:出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長) 出版社:講談社現代新書 出版年:2022年 著者が入院なさったという報に接した時、当時は病名も知らず、ただただ早期回復をお祈りするばかりでし…
書名:日の名残り 著者:カズオ・イシグロ 出版社:早川書房(ハヤカワepi文庫) 出版年:2001年 主人公は、イギリスの大邸宅の老執事です。執事は召使いを部下に持ち、いわば邸宅の総務部長のような存在です。第二次世界大戦後、その邸宅のあるじは、イギリ…