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心に響く自己啓発

他者志向型のギバーを目指そう

組織心理学者のアダム・グラント教授は、ギブ・アンド・テイクという切り口で、人間の思考や行動を3つのタイプに分類しました。著書「GIVE & TAKE」(三笠書房 2014年)には、ギバー(与える人)、テイカー(受け取る人)、マッチャー(バランスをとる人)と記されています。

ギバーは、相手から受け取るもの以上に与えようとするタイプです。テイカーは、与えるものより多くのものを受け取ろうとするタイプです。テイカーが自分中心に物事を考えるのに対し、ギバーは相手が求めているものに関心を払います。

またマッチャーは、与えるものと受け取るもののバランスとろうとするタイプです。

イカーは人間関係がうまくいかないことが多く、ギバーが長期的に見るといちばん成功しやすいタイプだそうです。

アメリカ第16代大統領を務めたリンカーンは紛れもないギバーだと記されています。彼は大統領に就任すると、共和党候補の指名争いで破れた3人の候補者に、国務長官、財務長官、司法長官になることを依頼しました。

大統領の地位にあれば、テイカーならイエスマンを任命するでしょうし、マッチャーならば自分の支持者に就任を持ちかけるものと考えられます。しかしリンカーンは、自分のライバルを閣僚に選びました。彼は個人の利益よりも国家を優先したのでした。

なお、ギバーには「自己犠牲型」と「他者志向型」の2種類があります。

自己犠牲型のギバーは、他者利益に関心がありますが、自分自身のことを考慮せず、自分を犠牲にしてしまいます。

他者志向型のギバーは、他者のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、他者に与えるので、自分を犠牲にすることはありません。

だから、成功するギバーは他者志向型なのです。

僕の周りの人々をこれら3タイプに当てはめると、ギバーと思われる人々や明らかにマッチャーだと言える人がいます。厚かましいテイカーは、僕の周りにはいなくなりました。

ギバーと思われる人々に与えられたものは、生涯忘れることがないでしょう。