仕事力

心に響く自己啓発

「仕事の囲い込み」とは?

「仕事の囲い込み」には、次のような特徴があります。

1 メンバーに自分の仕事のやり方を教えない。

2 メンバーに自分の仕事を渡さない。

3 自分の守備範囲の仕事だけをしっかり守り、他のメンバーの仕事をしない。

このような現象は、仕事が固定された事務部門や工程がほぼ一定の製造部門で起こりやすいようです。逆に、業容が拡大して新しい仕事に挑戦する機会が提供されている会社では、囲い込み現象は起こりにくいと言えます。

従業員にとってはメンバーに仕事を奪われると、会社での自分の存在感がなくなってしまう危険性があります。極端な場合、退職に追い込まれてしまいます。

こんな話を聞いたことがあります。

ある人が仕事の囲い込みが行われている職場に入社したけれども、能力を発揮できないまま退職しました。退職した職場では、仕事ができない人というレッテルが貼られていました。しかし、新たな職場に変わった途端、どんどん仕事が与えられ、水を得た魚のように大活躍します。新たな職場から退職した職場に、「こんないい人に育ててくれて喜んでいます」と、お礼の連絡が入ったそうです。

囲い込みを行う職場では、従業員は保身のため自分の担当職務を守ります。業務量が多くても、一人でやり遂げます。一見、責任感が強く、仕事ができる人というイメージが持たれます。「この人がいなかったら、困る」という組織になってしまいます。

しかし、仕事の囲い込みが行われる職場では、内部志向となり、保守的で組織の発展性がありません。また、不正が行われる温床にもなります。

仕事の囲い込みを防止することが大切です。

大々的に転勤や配置転換を行うほどの規模ではない会社であっても、内部の配置転換は積極的に行うべきです。そして、各従業員はメインの仕事とサブの仕事を担当できるようにすると良いでしょう。一人の従業員が二役、三役と活躍できる職場にすることが望ましいです。そうすることによって、災害や感染症対策にもなりますし、休暇も取りやすくなるでしょう。