脳科学者の茂木健一郎さんは、著書「結果を出せる人になる!『すぐやる脳』のつくり方」の中で、人が「頑張っている」時には脳の前頭葉の回路が働いていると述べられています。また、その回路は、エネルギーの総量が決まっているそうです。
頑張ろうという気持ちは、脳のロケットエンジンのようなものです。エンジン噴射の瞬間は頑張れるのですが、それだけ燃料も減ってしまいます。
脳のエンジン噴射を頻繁に使ってしまうと、燃料がなくなって脳のやる気がなくなってしまいます。「頑張る」のペース配分をうまくやるよう、工夫しなければなりませんね。
スティーブ・ジョブズさんやマーク・ザッカーバーグさんにはいつも同じ服を着る習慣があるのは、服を選ぶような余計なことで脳のエネルギーを使わないようにしているためではないかと、思われます。
僕は還暦以後、仕事を進めるなかで、脳にはエネルギー総量の限界があることを実感しました。午後3時を過ぎるころになると、脳がボウっとしてきて、身体もクタクタになりました。
脳エネルギーの限界に対する特効薬は、今日やるべき事案をあらかじめ決めておくことです。とりわけ、スケジュールをパンパンに組まず、労働時間の半分程度で済ませられる程度の事案を予定することが重要です。
始業時刻が来たら、まず10分程度のルーチンワークを助走作業としてこなします。それから、ロケットエンジンを全開し、脳をこき使う難しい課題やストレスを伴う交渉事をこなしていきます。今日、やるべき事案を終えたら、ルーチンワークや身辺の整理整頓を行い、1日の勤務が終了となります。
午後にアポが入っている時は、ロケットエンジンの全開時間を調整したらいいでしょう。
そうは言っても、突然の電話や訪問を受けるかもしれませんね。あらかじめ、突然の対応を見越した予定を組んで、エネルギー総量がなくならないようにしておけば良いと、思います。
そうやって、毎日、ロケットエンジンを全開する習慣をつければ、おそらく期待される成果を上げることが可能となるでしょう。