仕事力

心に響く自己啓発

職務権限の源泉とは?

「そもそも権限はどこから発生するのだろうか」「部下はなぜ上司の命令に従うだろうか」という疑問について、諸説あります。代表的な三つの説を紹介します。

1 権限法定説

権限委譲の源はすべて上位の地位にある者にさかのぼると考える説です。課長は自分の権限を部長から委譲してもらい、部長の権限は社長から、社長の権限は取締役会から、取締役会の権限は株主から、株主の権限は会社法など私有財産制度によって与えられていると、考えられます。つまり、権限の源泉は、私有財産制度(法律)だということになります。

2 権限受容説

権限の真の源泉は、部下が自身に対して行使される上司の権威を心から容認するところにあると考える説です。

原則的には上述のとおりなのですが、組織のメンバーには上司の命令にあえて反発しない無関心な領域があると、考えられます。よって現実には、命令は何の疑問もなく受容されることになり、また集団の圧力は命令の受容の側に働きます。

3 権限職能説

権限は仕事そのもの、すなわち「職能」にあるという説です。 組織のメンバーは必ず何らかの仕事を担い、その仕事を遂行するために権限と責任を持っているという見解です。すなわち、権限は組織の役割に付随していると考えるのです。

 

現実の権限に関わる現象は、いずれか一つの説では説明できません。「権限がある」ということと、「権限が機能している」ということは、同一ではない場合があります。

僕の勤務時代の経験から言うと、責任は明確に負いますが、権限の有無は不明瞭だったように思います。権限が不明瞭なので、最悪の事態を想定した場合に自分の手に負えない案件は上司と相談し、自分で解決できる案件は自分で判断しました。