スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣:成功には原則があった!」(キングベアー出版 2009年)*1の中に記されている「理解してから理解される」という習慣を念頭において、僕は交渉事に当たってきました。つまり、まず聴くことです。
当方からオファーを持ちかける場合では、まず用件は伝えますが、その後は先方の表情や返答など反応をうかがいます。その際に、沈黙ができても、しゃべるのをこらえて待ちます。
中村信仁(しんじ)さんは、「営業の魔法」(ピーコミュニケーションズ 2007年)の中で、商談における『間』の大切さを説いておられます。つまり、沈黙が必要だということです。
『間』によって、人は選択と決断を繰り返すことができる。
と述べ、さらに
小さな選択と決断と繰り返すことで頭の中が整理され、最終的に大きな結論を導くことができる。
と提唱されています。
『間』とはすなわち、先方が考える時間であり、その時間を提供することです。『間』を置かずにオファーや説明を続けると、先方が考えたり理解したりすることができなくなり、商談が進まなくなります。
『間』のタイミングについては、
相手が目線をはずしたら、『間』を必要とするサイン。目線を戻したら、理解した(または質問が出てくる)というサイン。
先方が目線を戻した瞬間が、話すのを再開する時だということです。
僕も沈黙を怖がりませんが、プロの営業マンは、『間』を大切にして沈黙が必要だと考えているのですね。