仕事力

心に響く自己啓発

「あおいくま」とは?

PHPが編集した「『笑い』がいい人生をつくる」(PHP研究所 2018年)という本に、ものまねタレントのコロッケさんへのインタビュー記事がありました。

彼はお母さんから、「あおいくま」を教わり口癖になっていたそうです。これは、「あせるな」「おこるな」「いばるな」「くさるな」「まけるな」という言葉の先頭を並べられたものです。「人生で大切なことは、これら五つだ」と、お母さんは言いました。

ところが、彼が本当にこれらの言葉の意味を理解できたのは、「ものまね王座決定戦」というテレビ番組で優勝した時だったそうです。ライバルに負けないよう、来る日も来る日も努力したのに、いざ優勝してみると、猛烈な虚しさに襲われました。優勝したからといって、すぐに仕事が増えるわけではありません。

その時、彼は気づきました。「まけるな」は人に負けるなの意味ではなくて、自分に負けるなという意味なのだと。彼の目に見える景色がガラリと変わり、自分の目指す道のりはもっと遠くて長いものだと考え、さらに精進しました。

歴史を振り返ると、たとえば、豊臣家は「あおいくま」の逆の道に進んで自滅したように思います。なぜ豊臣家臣が一枚岩になれなかったのか。なぜ大坂城の堀を埋めるような講和を結んだのか。自滅しつつあるところに、まんまと敵の計略にはめられたのではないでしょうか。「あせって」「おこって」「いばって」「くさって」「自分に負けた」と考えられます。

コロッケさんの「あおいくま」は、人生を歩む上で、また、仕事に臨む上でも教訓となるエピソードです。