経営コンサルタントの堀紘一さんは、著書「突破力!」(PHPビジネス新書 2006年)の中で、「営業マンが取引先の社長の名刺をその会社の前で落としてしまい、それを見た社長に激怒された」というピンチに遭遇した場合の対処法を述べています。
営業としてはピンチと捉えるのではなく、チャンスの到来と考えるべきだ。こうして対処すれば良いと、おっしゃっています。
・頭を丸坊主にする。
・社長に会えたら、言い訳は一切言わず頭を床に擦り付けて「たいへん失礼なことをした」旨を述べ、ひたすら謝る。
・子犬が入ったバスケットを持参し、社長の目に留まったら、「どうか私だと思って、可愛がってください」とプレゼントする。
僕はミスをして先方にご迷惑をかけたのではないですが、会話のときの態度で大いに気を悪くさせてしまったことがあります。ミスなら率直に誤れば良いのですが、ちょっと状況が異なります。関係を修復すべく、誤る方法を思案しました。
・電話で謝る?…軽く扱われたと、いっそう気を悪くさせる。
・品物を贈る?…おそらく、プレゼントを受け取るような方ではない。
・手紙を書く?…先方の反応がわからない。
・訪問して謝る?…先方が不在の場合がある。
考えた末、先方にアポなしで訪問することにしました。お詫び状を持参し、ご不在の場合には、先方のオフィスにことづけることより誠意を示せられるのではないかと、思いました。
運よく先方にお目にかかれました。先方から「何も迷惑をかけられていない。なぜ謝るのか」と言われました。「私の態度でお気を悪くさせた。反省している」ことを述べて、心から謝りました。
そうしたこともあって、先方とフランクに話し合える関係を築くことができました。