仕事力

心に響く自己啓発

資格試験の意義とは?

僕自身がチャレンジした中でいちばん難関の資格試験は、社会保険労務士でした。資格試験は、合格すれば天国、不合格であれば地獄、まさに成果主義の世界であると思っておりました。

午前中の試験が終わり、午後の試験に臨もうとする直前、午前の試験でのうっかりミスを発見してしまいました。試験会場に向かう車中で確認した論点が出題され、喜びのあまり、あわてて間違えてしまったものでした。

ミスがわかって尾を引いたまま、最悪の心理状態で午後の試験にチャレンジしました。けれども、試験問題に集中しているうちにメンタルが立ち直ってくれ、運良く合格できました。

 

金児昭(かねこ あきら)さんは、東京大学農学部農業経済学科を卒業し、信越化学工業に入社されました。同社で一貫して経理・財務部門でキャリアを重ね、経理・財務などを所管する常務取締役に就任されました。また、公認会計士試験(筆記・口述)の試験委員や金融監督庁(現金融庁)の顧問(専門分野は企業会計)も務められました。彼は当然、公認会計士の資格ホルダーだと、僕は思っていました。

ところが、彼の著書「仕事が10倍うまくいくマイナス思考術」(PHPビジネス新書 2012年)を拝読すると、そうではないことがわかりました。彼は公認会計士試験に3度挑まれましたが、結局、不合格でした。その時大きな挫折感を味わったが、貴重な経験であったと述べておられます。

トップクラスでできる人が、どういうふうに勉強しているのかを、間近で見たことが、印象に残っているそうです。この試験を受けて、その世界が頭でわかるのではなくて、体でわかった、その後の仕事においてとても役に立ったと、述べられています。名言もあります。

たとえそれができなくても、上を目指して挑戦した自分の経験は、あとで、どこか別のかたちで自分の力になっていきます。

資格試験は成果主義の世界だと、僕は言いました。しかし、金児さんは試験勉強のプロセスも大切で、たとえ不合格になったとしても、別のかたちで活きてくるとおっしゃっています。

資格を取ることは目的を達成するための手段に過ぎないと、僕は思っています。人生の構想を描いて資格試験にチャレンジするときは、結果だけでなく、プロセスも有意義なものにできれば、幸せです。

 

coco02hibi9.hateblo.jp