仕事力

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「戦略が先」か、「組織が先」か、どちらでしょうか?

「組織は戦略に従う」(戦略が先)か、「戦略は組織に従う」(組織が先)かの経営学的論争があります。

ルフレッド・チャンドラーさんは、組織は戦略を遂行する手段として設計されるべきものであるので、「戦略が先」と提唱されています。

一方、イゴール・アンゾフさんは、優れた戦略であっても、組織にフィットしなければ結局遂行できないので、「組織が先」と提唱されています。

その後、「戦略が先」に立脚する経営理論も、「組織が先」に立脚する経営理論も誕生しており、いずれか一方が正しいとは言えないのが、経営学の現状でしょう。

理論ではありませんが、僕が中堅・中小企業で勤務した経験から見ると、何より「人材が先」ではないかと思います。つまり、「組織も戦略も人材に従う」ということです。

「部」や「課」を設置したいと考えても、その部署を担うマネジャーとなるべき人材がいなければ、実現しません。また、いかに優れた戦略を立てても、その戦略を遂行できる人材がいなければ、うまく機能しません。

大企業も然りでしょう。ICTをはじめ技術進歩に適応した即戦力となる人材を確保したいので、新卒採用の枠を削り、中途採用の枠を広げる動きが見られます。必要な人材が不足すると、戦略策定も組織編成もままならないでしょう。現有の人材では環境変化に乗り遅れる恐れがあるのかもしれません。

理系だけでなく、文系も然りです。働く者としても、これからはますます、環境変化に適応できるように知識やスキルを磨くことが大切になるでしょう。