仕事力

心に響く自己啓発

全会一致の決議では危うい

P.F.ドラッカーさんは、著書「マネジメント エッセンシャル版」(ダイヤモンド社 2001年)の中で、全会一致の会議で決定してはいけないと述べています。

マネジメントの行う意思決定は、全会一致によってなされるようなものではない。対立する見解が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めて行うことができる。

全会一致となってしまうのは無言の同調圧力が働いているからだと、心理学者の榎本博明さんは著書「仕事で使える心理学」(日経文庫 2014年)の中で述べています。むしろ日本では、意見や質問が盛んに出て、すんなりと議案が通らないことを「会議が荒れた」という風潮があります。

とはいうものの、意見や質問を表明しにくいと、個人の本心として疑問に思われる議案や不安に感じられる議案が可決されてしまう恐れがあります。だから、全会一致の決議に失敗はつきものなのです。

それでは、どうすれば自由かったつな意見や質問が出やすくなるのでしょうか。

榎本さんは、あらかじめ反対意見を述べる担当者を決めておく「デビル審理法」を推奨しておられます。ここで言う「デビル」とは反対意見を表明する人のことです。この方法によって、議案に対して賛成意見しか出せないような雰囲気が崩れて、提案内容について多種多様な視点から意見を表明できると述べています。

議案には当然ながらメリットもありデメリットもあります。また、提案者が気づかなかった観点からの意見も存在するかもしれません。デビル審理法のような方法を活用すれば、ドラッカーさんが言う「異なる見解の対話」が実現し、成功する確率の高い決議ができるのではないでしょうか。