仕事力

心に響く自己啓発

「せっかち」であることは、良いことなのでしょうか?

2015年9月12日の「ダイヤモンドオンライン 小宮一慶の週末経営塾」の記事によると、成功した経営者の特徴の一つとして「せっかち」であることを、小宮さんは述べておられます。

成功する経営者の中でも飛び抜けて上等な人は、内心はせっかちなのですが、それを表には出さず、表面的にはゆったり構えています。でも、その行動を見ると、「今日やれることは今日やっておこう」という考え方が根付いているのがよくわかります。

また、冨田賢(さとし)さんは「世界のエリートが教えるちょっとした仕事の心がけ」(マイナビ新書 2015年)の中で、せっかちなエリートが多いことを述べられています。

実は、成功している人の多くは、非常にせっかちです。

とにかくどんな作業でも「速く」こなすことを尊ぶのです。

せっかちなのは、ビジネス・チャンスを逃さないという心構えなのでしょうか。まず始めてみる、試みるという前向きな姿勢が感じられます。「せっかち」であることは良いことだと、言えます。

僕はまったく成功者の一員とは言えませんが、「せっかち」な人間です。ともかく拙速なタイプです。学生時代に学んだ「満足基準」を念頭に置いています。高齢者になると、忘れるという意識もあって、いっそう「せっかち」になりました。

「満足基準」とは、ハーバート・A・サイモンさんが唱えた言葉です。経済学での「最適基準」「極大基準」に対して、人間は部分的無知、限定された合理性のもとで意思決定していると、サイモンさんは述べています。

松下幸之助さんは、「道をひらく」(PHP研究所 1968年)の中で、次のように述べています。

一〇〇パーセントはのぞめない。それは神さまだけがなし得ること。おたがい人間としては、せいぜいが六〇パーセントというところ。六〇パーセントの見通しと確信ができたならば、その判断はおおむね妥当とみるべきであろう。

僕は決定したことが失敗したときのことを想像します。失敗した状況を受け入れることができたら、「せっかち」に動くことにしています。