仕事力

心に響く自己啓発

時には仕事を中断させる効用とは?

ある一定の課題を取り組んでいる最中に、来客や電話を受けるとイラッとすることがあります。しかし、「ツァイガルニク効果」の存在を知っておくと、イラッとしなくなるかもしれません。

「ツァイガルニク効果」とは、未完成であったり中断してしまったりした事柄のほうが、完了してしまった事柄よりも記憶に残りやすいという心理現象のことを言います。

この効果は、心理学者のブルーマ・ツァイガルニクさんによって提唱されたものです。人は何らかの目標が未完了の場合は緊張感が持続しやすく、それが達成されることで緊張感が解消するという仮説に基づいた心理学実験で実証されました。

 

たとえば、テレビドラマやクイズ番組などで「それでどうなるのか? 正解は何か?」という気持ちになった直後にコマーシャルを流されると、そのままチャンネルを変えずに見てしまう場合があります。「続きが知りたい」「最後まで答えが知りたい」という状況を作り出し番組を継続して見たくさせる手法であり、ツァイガルニク効果の応用です。

仕事も同じです。途中で仕事が中断しても、ツァイガルニク効果によりその記憶が残りやすいので、スムーズに仕事を再開させることが可能となります。比較的長時間を要する仕事の場合、一気にやり切るのではなく、適度に休憩や中断をはさみながら取り組むと、脳の緊張状態を保ち、仕事への集中力を維持しやすくなるでしょう。

 

とはいえ、このような中断によるツァイガルニク効果をあらゆる仕事に乱用すると、緊張感がストレスになってしまいます。時間や手間を要する仕事に、この効果を活用することをお勧めします。