仕事力

心に響く自己啓発

欠点を克服するには?

ヤクルト・スワローズの名キャッチャーとして活躍された古田敦也さんは、順風満帆の野球人生を送られたものと思っておりました。古田さんの著書「『優柔決断』のすすめ」(PHP新書 2009年)を読んで、彼は大きな欠点を乗り越えて大成されたことを知りました。

1987年プロ野球ドラフト会議の日、母校の立命館大学が記者会見用の会場を設置し、報道陣も集まっていました。しかし結局、古田さんはどの球団からも指名されませんでした。

「メガネをかけたキャッチャーは大成しない」

プロ野球界では、そう認識されていました。

 

古田さんは乱視がひどく、コンタクトレンズで矯正できなかったのです。彼は欠点があっても、プロ野球選手になる夢を持ち続けました。トヨタ自動車に入り社会人野球での実績を築き、ソウルオリンピックでも活躍しました。そうした実績が認められて、1989年、ドラフト1位でヤクルト・スワローズに入団しました。

あきらめない心が努力や工夫の土台となっていたからこそ、夢を実現し名選手として活躍されたのだと思います。

 

アメリカのジム・アボット投手は、生まれつき右手の手首から先がない身体の状態です。彼は、左手で投球し同じ左手で捕球します。そのスキルが卓越しており、メジャーリーグの選手として活躍しました。ソウルオリンピックの決勝戦では、古田さんと対戦しています。

 

欠点を自覚すれば、適正があるのだろうかと不安になります。やり続けるか、あきらめるか、どこで割り切るかは、非常に難しいでしょう。二人の野球選手が活躍したのを見て、欠点があっても世の中に認められるような実績を積み重ねれば、道が開けるのだと、そう僕は思いました。欠点もあるけど強みもあるのだから、その強みを活かしつつ実績を上げられるかどうかが判断の分かれ目でしょう。