仕事力

心に響く自己啓発

デジタル化と脳のギャップ

スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏の著書「スマホ脳」(新潮新書 2020年)を拝読した。20万年前、人類は東アフリカで出現した。その後ほとんどの期間、人間の祖先は動物を狩猟し植物を採集して生きてきた。人間の脳は狩猟採集時代のまま進化していないため、現代の生活環境に適応できていない。スマホの使い過ぎは、依存症や集中力低下、精神疾患などの原因となっていると、警鐘を鳴らす。

 

科学的な根拠に基づく解説が盛りだくさんだった。要点を次の三つに集約してみた。

1 狩猟採集生活のほうが適した脳

狩猟採集時代は飢餓や感染症、事故、猛獣に襲われるのが当たり前で、10歳になる前に半数が亡くなった。なかでも最も恐ろしいのは、他の人間に殺されることだった。長い間、こうした環境で機能してきたため、脳は現代の生活環境にマッチしていない。

ストレスや不安を感じるのは、生存のための名残であると説明されている。

2 ドーパミンの作用

新しい情報を得ると、生き延びられる可能性が高まる。人間は新しい情報を探し当てたとき、甘いものを食べたときと同様、快楽物質であるドーパミンが脳内に分泌される。このような脳の仕組みに着目して、商業主義でスマホなどのデジタル機器が作られている。だから人間は、スマホなどを使い過ぎてしまう。

3 運動の効用

人類の祖先は、狩猟をしたり敵から逃げたりする時に、最大限の集中力が必要だった。現代でも、身体を動かすことで、狩りや逃避の時と同じスイッチが入り、集中力が高まる。

運動をすることで体力がつき、自信もつく。そのため、ストレスや不安を感じにくくなる。

 

2020年に本書(日本語訳)が発行されている。その後のAI技術などの発達が著しい。便利だからとか、面白いからとかいって、商業主義で作られているデジタル機器に惑わされることがないようにしたいものだ。