沢渡あまねさんは、「職場の問題地図」(技術評論社 2016年)の中で、「手戻りが発生する原因」としてつぎの四つをあげておられます。
①いきなり100点をとろうとする
②状況の変化に対応できていない
③仕事のやり方や品質がバラバラ
④レスや判断が遅い
学生時代、大学にレポートを提出すると、手戻りはなく、いきなり「優・良・可・不可」が判定されました。そのため、できるだけ良い点を狙って、期限ぎりぎりまで努力しました。
社会人になった頃も、提出期限ぎりぎりまで粘り、満点狙いの書類を作成するクセが残っておりました。手戻りになる場合もありましたし、ならない場合でも期限ぎりぎりですので、周りの皆さんに大いにご迷惑をかけました。
「80対20の法則」を学んだことが転機となりました。80%の成果を狙って、20%の部分に集中するようになり、日数に余裕を持って書類を提出することが習慣となりました。
それでも手戻りになることは、ほとんどありませんでした。また、手戻りになったとしても、要点を押さえているので叱られることがほぼなく、仕事の補正にも余裕がありました。
還暦以降もこの調子で、若干詰めが甘いなと思っても、とりあえず書類を提出しました。手戻りになっても、上司から「この部分を補正してください」と具体的な指示を得たので、仕事が滞留することはありませんでした。高齢者の体力相応の仕事ができたと、思います。
「80対20の法則」や「選択と集中」を念頭に置いて仕事を進めると、処理が迅速になります。また、仕事の正確性も問題がないレベルに達するものと思っています。