マルコム・グラッドウェルさんは、著書「天才! 成功する人々の法則」(講談社 2009年)にて「1万時間の法則」を提唱しています。
この法則は、ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、1万時間もの練習や学習が必要だというものです。1万時間の根拠としては、一流のバイオリニストたちが、子ども時代に1万時間を練習に費やしたことなどが挙げられています。
藤本篤志さんは、「御社営業部の『病気』治します」(日経プレミアシリーズ 2016年)の中で次のように述べています。
どれだけの営業フライト時間が、一人前の営業マンを育てることになるのか?
答えは、1万時間以上だ。
この1万時間は、藤本さんが営業コンサルタントとして経験したことから導き出されたそうです。ここで言う「営業フライト時間」とは、配達や移動の時間などを除いた純粋の営業活動時間です。言い換えると、営業活動のアプローチからクロージングまでの時間です。
1日の営業フライト時間は4時間くらいが適正だそうです。そうすると、一人前の営業マンになるには、10年以上かかります。
4時間(1日の営業フライト時間)×250日(実働日数)×10年=1万時間
ちなみに、藤本さんによると、営業活動を阻害する要因もあって、営業フライト時間が4時間を満たしていない会社が多いそうです。
「1万時間の法則」については批判もありますが、「継続は力なり」という言葉があるように、一人前になるには継続した努力が必要だと思います。