仕事力

心に響く自己啓発

大筋で同意を得られたら、細部は譲ってもよい

会議や交渉の場で僕が常套手段としているのは、「大筋で同意を得られたら、細部は譲ってもよい」ということです。

制度改正やマニュアル制定を会議に諮ったことがありました。その際ほとんどのケースで、文章を修正したほうがよいとか、図表を付けたほうがよいとか、注文が付きました。本筋から外れていなければ、原則的に僕は「承知しました」と答えることにしています。

我が家で軽自動車への買い替えを提案したことがありました。燃費がよい、税金が安い、高速代も安い、そして何より当時は普通車に乗るほど裕福ではないと考えたのです。

本当は親戚や友人に対する体裁を考えていたと思いますが、そうは言わず、家族はボディの色にこだわりを見せました。「ブルーの車がいい」「ブルーがなかったら白で」と。

この結果、僕はボディがブルーの軽自動車を購入し、長い間その車を愛用しました。

勤務時代、同僚たちの交渉の様子が耳に入ってくることがありました。すべての面で相手に納得させようと、いたずらに交渉が難しくなっているケース。あるいは、大筋を相手に譲ってしまって細部にこだわりを見せているケース。これらは、あまりよろしい交渉とは言えません。

「細部を譲る」ということは、「相手の顔を立てる」ことにもなります。相手も自分が考えたことだと思ってくれるかもしれません。

話し合いを円滑に進めるためには、大筋の部分で説得できたら、細かいことは相手に譲ったほうが得策だと言えましょう。