仕事力

心に響く自己啓発

2種類の努力とは?

幸田露伴さんは、著書「努力論」(夏川賀央訳 致知出版社 2016年)の中で、「努力」を次のように定義し、その努力は2種類に分けられると述べています。

「努力」は嫌なことを我慢してやることであり、苦しい思いにも耐えて、労をいとわずに事に当たるという意味。

努力の一つは「直接の努力」であり、もう一つは「間接の努力」です。

「直接の努力」とは、成果を上げるための直接的な努力で、著者は「当面の努力」とも呼んでいます。

「間接の努力」とは、直接の努力に向き合う前の準備段階における努力で、成果を上げる基礎となる努力です。

私たちは、「間接の努力」を怠って「直接の努力」だけで成果を上げようとして、うまくいかない場合が多くあると、著者は述べています。

たとえばテレビで夏井いつきさんの俳句番組がありますが、「直接の努力」だけで優れた俳句を詠むことは難しいでしょう。やはり、俳句の基礎を学ぶ「間接の努力」を怠っては上達しません。

この「直接・間接の努力」という考え方は、スティーブン・R・コヴィーさんが「7つの習慣」(キングベアー出版 2009年)で唱えている「P/PCバランス」の考え方に似通っています。Pはパフォーマンス(成果)です。PCはパフォーマンス・ケイパビリティ(成果を生み出す能力)です。

多くの人々は成果を上げることに急ぎすぎているそうです。成果を生み出す能力を向上させることが重要で、PとPCのバランスをとらなければならないと、コヴィーさんは述べています。

僕もたまには五・七・五を詠みますが、俳句や川柳の基礎的な能力がないため、いくら詠んでも不合格の句ばかりでしょう。がんばっても成果がなかなか上がらないときは、「間接の努力」や「P/PCバランス」を怠っていないか、チェックしてみてはいかがですか。

coco02hibi9.hateblo.jp