仕事力

心に響く自己啓発

明らめる

出口治明さんの著書「逆境を生き抜くための教養」(幻冬舎新書 2023年)を拝読しました。人生では、戦争や地震、台風、感染症、がん、事故、倒産など、不条理な逆境に遭遇することがあります。この著書を拝読して、逆境を生き抜く最大の知恵は「明らめる」にあると僕は解釈しました。

「あきらめる」の漢字表記には「諦める」のほかに、「明らめる」という表記の言葉があることを、僕はこの著書から学びました。角川国語辞典によりますと、「諦める」は「思い切る。断念する」という意味です。一方、「明らめる」は「物事を明らかにする。深く研究する」という意味です。

どうにもならない逆境に対して、「どうしてだ」「なぜだ」と考えあぐねても、仕方がありません。明らめることです。つまり、事実を明らかにして受け入れるしかありません。

そして、出口さんであれば、置かれた状況にベストを尽くし「適応する」ことだとおっしゃるのではないでしょうか。

また、デール・カーネギーさんであれば、たぶん彼の著書「道は開ける」(創元社 2016年)に記されているような考え方をするのではないでしょうか。

1.「起こり得る最悪の事態とは何か」と自問すること

2.やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること

3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること

上記の言葉が「明らめる」に当たると、僕は思います。とくに、気持ちの落ち着きを取り戻して、最悪の状態を好転させるよう努めることが大切です。

逆境に遭いたい人は誰もいません。やむをえず逆境に遭遇した場合は、「明らめる」という言葉を思い起こすことができたらと、考えています。