仕事力

心に響く自己啓発

「無知の知」の意義とは?

古代の哲学者、ソクラテスは、「無知の知」を考え方の原点としていました。無知の知とは、自分がわかっていないことを自覚することです。このことが正しく物事を考える場合の土台となっています。「わからないこと自体がわからない」状態より、「わからないことを自覚している」状態のほうが優れています。

 

本田有明さんの著書「本番に強い人、弱い人」(PHP新書 2007年)にこういうエピソードが記されています。

ある雑誌の記者が、CI(コーポレート・アイデンティティ 企業の総合的なイメージ戦略)の専門家にインタビューを行った場面です。記者は切り出しました。

「先生のご著書は拝読しました。ですが、正直言って、私にはよくわかりませんでした。あらためて、じっくり教えていただけますでしょうか」

専門家は絶句しましたが、うれしそうにCIについて講釈をすることにしました。

インタビューを担当した記者が、わからないから教えてくださいというのは一見情けないことです。しかし、知ったかぶりをせず、先方から貴重な話を聞き出し正確に記事を書くことが目的であり、うまいやり方だと言えましょう。

記者はおそらく予備知識もあったと思われますが、中途半端な質問はせず、まずは謙虚に専門家の話を聞こうとしたのです。「無知の知」に基づいたインタビューであったと言えます。

 

本当は十分わかっていないにも関わらず、つい、知っているかのごとく話してしまう癖があるように思います。「無知の知」に基づいて、頭を垂れて謙虚さを示して応対するほうが得策ではないでしょうか。

 

coco02hibi9.hateblo.jp

 

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