水野敬也さんの著書「夢をかなえるゾウ」(飛鳥新社 文庫版 2011年)によると、
[ガネーシャの課題]
誰か一人のいいところを見つけてホメる
という自己啓発の訓練があります。
「人の悪いところ」を見つけるのは比較的簡単ですが、「人のいいところ」を見つけるのは難しいですね。
ミスが多いとか、話し方が下手だとか、行動が遅いとか、人の欠点は目立つものです。
前向きに仕事に向かっているとか、朗らかだとか、頭の回転がいいとか、人の長所に気づくのは難しいものです。
若い頃は、もっとできる人もいるけれど、僕もできる側のほうだと思っていました。その結果、「上から目線」で人を見て、人の欠点が目立ちました。また、自分のことを棚に上げて、人に完璧さを求めていた点もありました。
いつしか、人の能力は「ちょぼちょぼ」だと考えるようになって、「目線」の位置が下がりました。平たく言うと、「僕もアホや」と悟ったわけです。
おかげさまで、人の長所に素直に気づけるようになりました。また、人の話にもいっそう耳を傾けられるようになりました。
「アホ」というのは極論ですが、自分も大したことがないと思うことです。反対に、一見、大したことがないような人でも、素直に見ると、優れたところがあるものです。
このようにして「人のいいところ」を見つけられるようになれば、幸せなことだと、僕は思います。