福島正人さん、岩崎彰吾さんの共著「図解でわかるビジネスフレームワーク」(アニモ出版 2020年)のコラムに、社外でも通用する力として「フレームワーク」のスキルをあげられています。
ビジネスにおけるフレームワークとは、問題解決、意思決定、分析などに共通して用いることができるツールとしての枠組みのことを言います。
共著者は、スキルアップを将棋の「歩」という駒に例えています。同じ職場内であれば、歩は一番弱い駒ですが、一歩ずつ進んでいくと「と金」に成ります。終身雇用の時代では、こうしてスキルアップしたという例えです。
昨今では、必ずしも同じ職場でずっと働くとは言えなくなりました。新しい職場環境の中では、スキルアップは一からやり直しになってしまいます。将棋で言うと、駒を取られて持ち主が変われば、また、弱い「歩」に戻ってしまうということです。
しかし、フレームワークというスキルを身につけておけば、新しい環境になっても役に立つと述べられています。
確かにフレームワークは、環境が変わっても、共通して役に立つでしょう。ただし、共通して役に立つものは、それだけではありません。
世の中に「仕事力」というものがあるとすれば次の算式で表せると、僕は考えています。
仕事力=思考力×コミュニケーション力×スキル×教養
ある職場における独特の専門的なスキル以外の能力は、職場環境が変わっても活かすことができます。
熱意を込めて目の前の仕事に取り組むこと。本を読んだり人の話を聴いたりすることを怠らないこと。このような努力を積み重ねれば、職場が変わっても「歩」に戻ることはありません。
そもそも、職場が変わって「歩」に戻るくらいであれば、転職や配置転換は難しいのではないでしょうか。